記事「文人」 の 検索結果 39 件
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佐藤春夫のゆかし潟レポート続編、そして佐藤家のルーツの下里へ(画像を追加しました)人の言ふ 夏痩ならむかと思ふ (加藤 楸邨) 楸邨といえば、端正な句風の俳人というイメージがありますが、時にこうしたユニークな作も。自分は夏痩せなどとは無縁だと思っていたが、どうも今年..
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佐藤春夫ゆかりの南紀の地を訪ねました。ゆかし潟、良いですよ。釣鐘の うなるばかりに 野分かな (夏目 漱石) 「野分」は台風のこと。この夏は台風が北海道に週三回も上陸したり、と異常な気象状態ですが、今度の台風10号もいったんは南下しながら、U..
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勅使川原三郎ダンス「牧神の午後」を観ました+佐藤春夫の「ゆかし潟」を再訪してきます蝶わたり 文字渡り来し 夏の海 (高柳 克弘) この五月に刊行されて評判の第二句集『寒林』(ふらんす堂)からの一句です。1980年生まれで新鋭俳人を代表する存在になった高柳君は芭蕉の..
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田能村竹田展、観ました+「文藝別冊・キング・クリムゾン」に拙稿掲載です銀の空 ゆらゆらゆれてゐる大暑 (松本 邦吉) 刊行されたばかりの松本邦吉さんの詩集『しずかな人 春の海』(思潮社)、の後半は、俳句が並ぶ「句集」パートがありますが、これはそのな..
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マスク展、観ました+九楊さん講演、根岸にて+キング・クリムゾン、再活動中です山の蚊の 縞あきらかや 嗽(くちすすぐ) (芝 不器男) 東京も入梅となり、わが家の周辺にも蚊が飛んでいます。デング熱に注意しなくては。さてこの不器男の句、郷里の四国愛媛の山のなかの村..
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山口小夜子展をMOTで観ました+追悼・杉本秀太郎氏蝶の舌 ゼンマイに似る 暑さかな (芥川 竜之介) この5月は異常に暑い日が続きました。ほとんど真夏です。つい芥川のこの有名な句を重い浮かべます。ゼンマイ、無論シダの仲間の食用の植物の..
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菅茶山の廉塾訪問+蜷川実花展は原美で+笠井叡さん、「憲法」を踊りました枕木に 歌なき蝶の 幾からみ (安東 次男) あんつぐさんに、こんな句があるのを知ります。鉄路の枕木のうえを春の午後、モンシロチョウ(たぶん)が何羽か、もつれあうように飛んでいるのです..
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安東次男の郷里・津山を訪ねました+奈義町現代美術館、訪問白牡丹 遠近人(をちこちびと)の すさびかな (安東 次男) あんつぐさんの、牡丹を詠んだ一句です。季節の花を詠むにも、狷介孤高の詩人であった安東氏にかかると、なんとも晦渋です。..
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石田尚志展、吉増剛造さんゲストのクロストーク+サントリーの展示替えで蕪村をうまれたる ばかりの蝶の もつれけり (久保田 万太郎) 劇作家である万太郎の本領発揮の芸域は「人事」の句、と言われるようですが、こんな叙景句にもピュアなポエジーがあります。モンシ..
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サントリーでは蕪村の絵に感激+アガンベン『ニンファ』のイタリア現代美術論鶯の たまたま啼(な)くや 花の山 (与謝 蕪村) 鶯は梅とコンビの鳥ですから、桜の満開時には引っ込んでなくてはなりません。それが全山満開の桜の影で、間抜けにも(笑)鳴いたのですね。..
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出光美術館の小杉放菴展、見応え十分+拙宅の骨董品を杖の先 しづかに蛇を 去(い)なしけり (橋本 鶏二) 橋本鶏二という俳人、「ホトトギス」の有力同人だったそうですが、飴山實の文章で初めて意識しました。「鷹」を主題にした実に格調高い..
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神奈川近文の寺田透展、桶谷秀昭氏講演+新宿pgでの北島敬三写真展道ばたの 墓なつかしや 冬の梅 (芥川 龍之介) 路傍に墓石が建っているというのは、田園地帯の風景ですから、東京人の芥川には馴染の薄いものでしょうに、「なつかしや」と来ましたね。さて..