記事「自作小説」 の 検索結果 350 件
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自作小説「守護神」102 第28章(その1) ※注 小説の時代設定は1970年代「くすぐったいわ」 島津は自分の愛撫の仕方がぎこちないとユキに非難されたように感じて、恥ずかしくなった。谷口はもっとうまく行なっていたのかと思うと、自分が恥ずかしくなり、また谷口に対する嫉妬の念が..
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自作小説「守護神」101 第27章(その4) ※注 小説の時代設定は1970年代「やっぱり私に力を誇示したいがために、そんなことをしたのね。あの事故でのダメージを取り戻そうとするあまりね。」とユキは意地悪い口調で決め付けた。 「それは残念ながら認めざるをえないな。すっかりネタを..
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自作小説「守護神」100 第27章(その3) ※注 小説の時代設定は1970年代「何を感心しているのよ。あんたも案外古臭いのね。引き下がることを美徳と考えるなんて。実際は争いを放棄した弱虫の考え出した理屈に過ぎないわ」 ユキは毒づいた。 「ユキはどうなんだ。谷口を取るの..
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自作小説「守護神」99 第27章(その2) ※注 小説の時代設定は1970年代「昨日の俺の真似かい」 島津は苦笑しながらその新聞を受け取ったが、 「俺も読んだよ。この記事だろ」 と新聞をめくり社会面の「ピストル盗難事件」の記事を指差した。ユキはうなずいた。彼は声高らか..
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自作小説「守護神」98 第27章(その1) ※注 小説の時代設定は1970年代島津はバイクを止めた。エンジンの音が聞こえたらしく、二階の部屋の窓が開いてユキの顔がのぞいた。 「早く上がってきてよ」 その弾んだ大きな声に、通りを歩いていた人がびっくりしてユキの方を見上げた..
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自作小説「守護神」97 第26章(その3) ※注 小説の時代設定は1970年代島津は蓋を開けようとしたが、鍵がかかっているので、舌打ちした。引き出しの底を探してみたが、鍵は入っていなかった。他の引き出しも開けて、中を掻き回すようにして探したが、見つからなかった。 『ちく..
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自作小説「守護神」96 第26章(その2) ※注 小説の時代設定は1970年代「言葉だけやなかったらええけどね。そもそも、その格好なんやの。暴走族スタイルやない。昨日も一昨日もこの服やったん?」 下宿のおばさんは服装についてそれとなく探りを入れた。島津ははっと気づき、おばさ..
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自作小説「守護神」95 第26章(その1) ※注 小説の時代設定は1970年代島津はバイクを木戸の所で力を込めて持ち上げると中に入れ、自転車置き場まで押して行った。 『結局昨夜はこのバイクは要らなかった。一昨日のように歩いて行ってもよかったんだ。谷口の所まで徒歩で十分..
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自作小説「守護神」94 第25章(その4) ※注 小説の時代設定は1970年代「まあ、この調子やねんから」 食堂の下宿のおばさんは奥に引っ込んだ。彼らは空いたテーブルや椅子の上に置いてある漫画雑誌を思い思いに取った。島津は今日の新聞に目を止め、ぱらぱらとめくった。 「おや..
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自作小説「守護神」93 第25章(その3) ※注 小説の時代設定は1970年代「それじゃあ、おまえは今の生活に満足しているのかい」 元井は逆に食ってかかったが、島津は平然と答えた。 「むろん、満足し切ってないさ。だけど、感傷的になる必要はないぜ。めめしいだけだもんな」..
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自作小説「守護神」92 第25章(その2) ※注 小説の時代設定は1970年代「俺はプラ七十だから、三千五百円。元井は三十で、千五百円か。確か財布にあったな」 「島津はプラマイゼロだから、関係なしだな」 元井が金を受取りながら言うと、島津は、 「他人事だって言いたいん..
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自作小説「守護神」91 第25章(その1) ※注 小説の時代設定は1970年代「おまえ、よく眠れただろう。北村の負けを取り戻すことができたからな」 「おまえも少しは勝ったじゃないか」 「ほんの少しだけだ。前の日の負けの半分にも及ばなかったんだ」 「しかし、俺もあま..