記事「2004年」 の 検索結果 49 件
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リボン誰かがどこかでわたしのために 声をあげる わたしの知らない所で わたしの知らない人が わたしを知らないから わたしのためにではなく けれど わたしのためになる声をあげる その 声だけ..
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引き潮ふいに 波が引き 空気は 正座する 遠く沖のあたりは ゆらいでいる からめた手に 満ちてくる 潮に 戻ってくる波 小鳥 風に舞う枯葉 胸の鼓動 2004.10.22
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月の宮一艘の舟が漕ぎ手を待っている しなやかなしろいからだの奥に隠された 月の宮で 祈りにも似た熱い想いを感じて 少女は身を硬くする けれど少女の膝頭は閉じたままで 地上に降りるほんとうに最初の..
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蝸牛透けてしまいそうな秘密に 触れられるのが怖くて 目を隠してしまいます ゆっくりとしか歩けないから 泪のあとを 残してしまいます なめらかな曲線を描くのに疲れて 殻にきゅっと閉じこ..
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十月地面の冷える速度が あまりにもゆるやかで いつまでも青いチモシーに苛立つ ひまわりが一輪だけ咲いている ポプラの黄色と どっちがどれくらい哀しいだろう 昼の日差しと 夕方の風に のらり..
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夜眠りのなかにするりと入るとき わたしは抜け殻をおいていく 今日の澱が沈んだ 小さな月日貝 夜は優しく洗ってくれる それは波音だけが響く月の無い夜 砂浜に腰を下ろして 洗い終わるのを 月..
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君がいなければ~わが子に君がいなければ わたしはなんて自由 ひとりでウィンドウショッピングにいく 何時間もぶらぶらして そしてから手でほくほく帰ってくる 君がいなければ わたしはなんて気まま 夜更かしをして好き..
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ななかまど指をからめても ひざを抱えても 逃げていく体温を引き留めておけなくて 太陽をなつかしく想う 秋はゆうるりと歩きまわり さようならの準備をしなさい と告げていく 寒さで緩慢になった昆..
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寂しい時代ひとりぼっちの寂しい手は ときどきとんでもない働きをする ・・・浴槽に自分のこどもを沈めてしまったり くすりゆびに嵌まっている指輪は ただの飾りでしかなくて かじかんでゆくばかりの手 希望..
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天秤子どもがひとつ、大きくなるたびに うれしさと淋しさが 母親の胸に置かれる。 胸で揺れて ゆうらり揺れて 今日はちょうど、真ん中で止まった 子どもよ、お願い。 ..
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寝顔子どもが夢を見ている 笑ったり 怒ったりしながら いまのは誰かとケンカしたのかな こんどは大好きなブランコに乗っているかな 寝言から 表情から 母親は夢を読み取る そして、ときどき ..
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日々の糧それはささやかなるもの つつましやかなもの けれど 生きていくうえで欠かせないもの たとえば 道端のたんぽぽが今日咲いたこと たとえば 家の軒先にスズメが巣をかけたこと たとえば ..