記事「2005年」 の 検索結果 74 件
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夏休み楽しかった夏休みも 大人になってしまえば、ただ 暑いだけの夏 かき氷のイチゴシロップ 三角に切ったスイカ 金魚すくいの金魚 少し甲高い無邪気な笑い声を その夏のどこかに 置いてきた ..
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椅子ちょっとした 小さな椅子があるといい 安楽椅子や長椅子ではなく 折りたためて 持ち運べて 軽くて しかも丈夫な椅子がいい 気に入った風景の前で 椅子をひろげて腰かける 心洗われる..
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要りません要りません ほの暗い夜のほかには あなたの手も要りません 目を瞑り 薄く口を開けたまま 静かに、深く呼吸をすれば 胸には夜気が 引き、そして満ちてくる (月は青ざめ、星の..
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石石に なってしまえ きょうの苦しみと あしたの哀しみを知りながら ただ 転がってゆくしかないのなら 割れるだけの 欠けるだけの 石に 雨風に晒されて 人に踏..
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見えてくる当たり前のことが当たり前ではなくなって 世界がゆっくりと傾きはじめた今日 たとえば こんな天気の良い日に 一歩も外に出られない 向かいの家の物干し竿に干してある シーツやシャツやバスタ..
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せかいでいちばんせかいでいちばんわたしが ひとりぼっち と、おもうとき。 たいようもつきもほしもなくて まちのあかりさえとおすぎる そう、おもうとき。 だれのことばもなぐさめもなみだも わたしの..
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雨の思想黄砂に汚れた街を 雨がきれいにするのなら 頬を伝う私の涙も 何かをきれいに洗い流すのだろう 乾いた大地を雨が濡らして 緑が大きく育つなら スカートに落ちた私の涙も 何かを大きく育てる..
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月を見ていた誰かを恨んだり 何かを憎んだりすることに疲れて 月を見ていた 白く輝くお月様は、淋しい 空っぽの月 ため息は しんと夜空にしみとおる 何も持たないことの潔さがいい 地上..
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風は探している去年の夏の終わりの大風にもぎ取られた どんぐりを思い出した 子供たちはまだ青いどんぐりを ポケットにいっぱいつめ込んで笑っていたね あのあと、なんの不思議もないさ という顔で 秋がき..
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かなしみはあってかなしみはどこにでもあって ひゅうひゅう まちかどはないている きのう、しんでしまったひとは おとついはいきていて ごはんをたべていた おふろにはいっていた おしゃべりして しごと..
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クロッカスまだ浅い 春の空の うす水色しか知らない 埃で汚れた硝子窓から見える 青空しか知らない 生まれた時から空は空 そこに在るから 哀しいとは思わないけれど、ただ 憧れが胸を焦..
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帰る道ひとりぼっちの帰り道 手の中は空っぽ 指の指の間から すきま風 それとも ひとりぼっちの帰り道 足音はひとつ 乾いた空に響く 退屈なドラム それとも 軽やかに春の風 ド..