記事「2007年」 の 検索結果 241 件
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ただしい上に伸びていくことが 枝にはただしい 下に伸びていくことが 根にはただしい 住む世界が違うからといって 相反するものではない 上にも下にも 伸びて広がっていくことが 樹にはただ..
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★暮れる赤ん坊が泣いている 泣いて私を責め立てる 夕暮れ 赤く染まった部屋 窓の向こうには整然と 縦横に並ぶいくつもの窓 夕日を浴びて、やはり同じく赤い色 昼間、ベランダに干されて ま..
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風紋 【創書日和5月 「風」】風が 砂の上に言葉を残していく 見えない指先が作り出す 美しい波 足跡を残すこと が 躊躇われる日に その言葉の意味を知りえたなら どんなに救われるだ..
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★海辺にて寄せる波 返す波 足に優しく触れていく ためらって とまどって 触れて 離れて また触れる 砂は黒く濡れている 手のひらのなか 先の尖ったガラスの欠片が まろやかな形にかわってゆく..
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☆ななかまどの実はななかまどの実は優しい 目覚めるにはまだ早いの、と 種を包んで眠らせる 外は雪、小鳥たちには信号 わたしはここよ 赤く光って合図する ついばまれる実 やがて種は 生まれた場所を..
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★法則秩序を作ることはない 世界は 混沌としているのだから わたしも( )で括って きれいに 因数分解することはない 上澄みをすくい上げることで 失われてしまうなにか 砂金の粒が沈んで..
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あなたには歌えない 【創書日和3月 「歌」】カナリヤの歌が聞こえる あなたには、聞こえない わたしには、聞こえる 葦原を吹き抜ける風の音に混じって 低く、すすり泣くような旋律 私は言葉を持たない ..
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予感 【創書日和3月 「歌」 】音になるまえの おと 歌になるまえの うた 暗く静かな時空の中に 君の居場所は きっとあった 生まれたばかりの かぜ 一番最初の なみ 弾かれるための弦のように 始まりの場所は ..
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☆真冬日青空が見える 雪が真っすぐに降ってくる 君たちはもう大勢(たいせい)だから なにも怖くはない 車のフロントガラスには霜の花 動かすまでにややしばらく エンジンを温めなくては..
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★新年昨日と今日と 何かが大きく違うものでもない カレンダーは掛けかえた 窓ガラスをきれいに拭いて 天井の埃も、いちおう払った 門松は飾らない 鏡餅も作らない 年賀状はすでに書き終え 年..
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スケッチ/春 【創書日和2月 「炎」 】ちろちろと赤い舌? いいえ、あれは小さな炎 黒土の下にはずっしりと火種 気化しているのはいのち それとも、みらい ぽっ ぽっ 炎色反応はやがて リチウ..
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烏(からす)-季節外れの福寿草が咲いた朝に 眼を閉じていたいんだ 烏 その眼は遠くが見えるから 口を噤んでいたいんだ 烏 叫び声はしわがれているから 太陽は今日も..