記事「SS」 の 検索結果 1880 件
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(SS)奇習なる仕来りの儀・前編そこは誰も知らない。 知ろうとすれば迷わせる。捜そうとすれば騙される。 『識る者』だけが通れる、深淵への入り口。 『道化師』のみが進める、崖への道。 『GHT本部』《フール》が集まる深淵の..
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(SS)胡蝶よけ城下町の一角、森と同化するように広がる町並みを見下ろす小高い丘の上にそのホテルはあった。 よけ藩国随一の格式を誇るこのホテルは、藩国には珍しい石造りの建物で、各国の要人を幾人ももてなしてきた..
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(SS)月下の謡ひ人丸い丸いお月様の下。そこには白いお城がありました。 その壁は大理石の様に美しく、いくつもの窓は月光を反射し、淡い輝きを持っています。 美しくそびえ立つその姿は“お城”と呼ぶのにふさわしい建物です。..
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(SS)未婚号の不思議よけ藩国に、気高く美しい戦闘用ドレスが誕生しました。 無駄を一切省いた細身の優雅なシルエット。艶やかに輝く深紅の外装。精緻に刻まれた頭部の紋様。謎を秘めて複雑にきらめくクリスタル。 副腕を使用して..
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(SS)虚無への弔い広島に、終戦の合図である赤い煙が上がった。 それを見たわんにゃん広島部隊は皆喜びの声をあげ、隣りにいる者と抱き合い、涙を流す。 空を見上げ、生きて居る事を喜び泣く者。 希望を信じて良かったと..
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(SS)『ふ』がつく女子の物語その日は朝から強い雨の降り続く日だった。 「…あ~、だるい、調子出ねぇ…。」 無人の診察室で一匹の猫がイスに寄り掛かっている。 猫の名は亀助。わかばであり、よけ藩国国立病院、メンタルヘル..
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(SS)わかばのたまご。よけ藩国国立病院。 医療技術、研究に特化したよけ藩自慢の大病院である。 今、その病院の前に一匹の猫〈亀助〉が立っている。 国立病院は、その名に恥じない清潔感のある白い壁と、荘厳な建たずまいで..
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(SS)おいでませリワマヒ国へ!【三人と二匹、炊き出し行脚】「亀助、リワマヒ国へ行くにゃ!」 「ほふぇ?」 (いきなり、何ぬかしてんだ?こいつ) と思いながら、亀助は口に頬張っていた朝食を飲み込んだ。 「…リワマヒ国、ってどこにゃ?」 ま..
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(SS)【リワマヒ国様行き】ただいま炊き出し中?「炊き出しですか?」 「炊き出しです」 「誰がやるんですか?」 「私がやります」 「摂政殿、ちなみに家庭科の成績は?」 「それは聞くな」 ――ある日の海法よけ藩国、護民官と摂政の会話 ..
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(SS)魅惑のカステラ(後編2)仮借のない一撃でした。 黒崎は、その一撃は避けることが出来ないと、本能的に悟りました。 刹那、黒崎は目をつむり、そして観念しました。 ほんの短い瞬間、それはほとんど電子的な領域でしたが、さま..
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(SS)キャベツ畑の悪夢「にゃーにゃーん♪にゃー♪」 ある日の午前中。 亀助は鼻歌を歌いながら、今日着る服を選んでいた。 「ピンクかにゃ~。ブルーかにゃ~。思い切ってオレンジかにゃ~。」 小さいトランクか..
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(SS)魅惑のカステラ(後編1)翌日の朝。 五月晴れの、とても良い空模様でした。 額にひんやりと気持ちの良い風を感じながら、一人の猫が、タイガーを走らせていました。 彼が走ると、道端から黄色い歓声とともに、たくさんの挨拶の..