記事「Sweet Memory」 の 検索結果 33 件
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Sweet Memory~エピローグ~お店が一時閉店してから約2ヶ月。 季節はもう6月を回って、夏の気配を帯びた夕立が過ぎていく。 少しすると夕立が過ぎて、やがて赤いの西日があふれてくる。 その光を見ながら私はあの時のことを思い出し..
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最終章-6【扉の鍵】全ての準備が揃った時、免れざる客が店内に入ってきた。 いや、私はむしろこの状況を望んでいたのかもしれない。 私の背後にある気配は二つ。 いずれも私がまだあったことのない、名前も知らない何処か..
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最終章-5【岸川陽の手紙】編集者様へ、まずお詫び申し上げます。 今この部屋で横になり眠っているのは私、岸川陽ではありません。 私を夢に導いてくれた恩師、青月香枝さんです。 彼女が目を覚ますことは、おそらくもうありませ..
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最終章-4【最後の春】季節が二つ通り過ぎ、凍り付くような風の寒さも少しずつ和らいできた。 裸だった木の枝にもいつの間にかピンク色の花びらが目立ちはじめて、 灰色だった空も徐々に青さを取り戻していく。 それでも私の..
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最終章-3【夢とは逆の方角】事故から3日が過ぎたけれども、まだ香枝さんの意識は戻らない。 医者からは頭を強く打ったことが原因と言っているけれども、まだ詳細な説明は何も聞かされていない。 たった今香枝さんのご両親、そして光..
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最終章-2【夢の破局】夕方18時の閉店時間になっても香枝さんは帰ってこない。 外はまだ秋の冷たい雨が降り注いでいて、心なしかその雨脚も速くなった気がする。 いつもならこの時間は在庫の調達とか商品の企画会議をやってる..
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最終章-1【冷たい秋】最終章-1【冷たい秋】 「青月さん遅くないっすか?」 私のお店でボランティアをしてくれている吉原君が棚の整理をしながら唐突にそう言った。今日はお店はそれほど忙しくない日だったから、一緒に仕事を..
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最終章~序幕~【兆し】Sweet Memory最終章~序幕~ 私と香枝さんがお店を開いてから1年が経った。 私が考えた杏仁の味を香枝さんが作って、店内にそれを並べて一緒に売った。 最初は2人だけだったけれど、..
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序章1-3『岸川陽と青月香枝』「なんてこった……」 私たちは今までとんでもない誤解をしていた。 吉岡もまさかこのような展開を想定出来たはずもなく、唖然と口を半開きにしている。 報道記者としてこれはネタにもならないつ..
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第3章[3-5]『ゆめのはじまり』私がまだ物心つかないくらい小さい頃。 名前も知らないおばあちゃんが美味しい杏仁豆腐をくれた。 その不思議な味に惚れ込んで、ずっとその味を探し求めていた。 今私がこうしてお店を開こうとしている..
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第3章[3-4]『青月香枝』「光奈さんのお体の具合は大丈夫なんですか」 私の問いかけに光奈さんの孫である青月香枝さんは笑みを浮かべて答える。 「ええ。だいぶ落ち着いてきたみたい。一変にいろいろな事があったからね。..
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第3章[3-3]『成すべき事』帰国から1ヶ月。私はスイーツプランナーの資格を取った。 筆記試験の他に実技もあったけれど、3年間の留学中ずっと猛勉強していた私にとってそれは何ら苦にもならなかった。 こんな簡単でいいのだろ..
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