記事「短歌」 の 検索結果 17224 件
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新潟紀行(後半)、上原木呂氏宅から砂丘館へ、会津八一の書など姿見に 映る楓の 夕日かな (井月) 信州の伊那谷を放浪して「乞食井月(せいげつ)」とも呼ばれたこの俳人ですが、その句にはどこか品のあるのが魅力です。大正年間に出た句集には芥川龍之介が跋..
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笠井叡「ハヤサスラヒメ」海外公演版ゲネプロを見学+「玉城徹を読む」に参加しました茸(きのこ)など 胃の腑に入れて 静夜あり (森 澄雄) 加藤楸邨の弟子だった澄雄の句風は、「日本画的な優美」さにある、とは俳句にも詳しかった丸谷才一の評ですが、ときに憚りなく..
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多摩美大美術館では「若林奮 仕事場の人」展を開催しています月一輪 凍湖一輪 光あふ (橋本 多佳子) 格調高い一句です。俳人自ら、「寒月の下に凍って光る諏訪湖のその汀線は引締ってきびしく、私は月一輪に対して、凍湖一輪と、つよく表現しなけれ..
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4人の巨匠、ポルトガルを撮る+世田谷文学館では幸田文展+「読書人」で拙著の座談秋はまづ 街の空地の 猫じやらし (森 澄雄) 10月の暦となって、やっと秋めいた気配のこのごろです。この句、空地に雑草の猫じゃらしが茂っているのを見つけて、秋の到来を知った、とい..
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京都では作庭家・重森三玲の庭を巡りましたうちまもる 母のまろ寝や 法師蝉 (芝 不器男) 久々の不器男の句です。「まもる」は「目守る」ですから、じっと見つめていること。晩夏の夕暮、家事に疲れた母親が座敷で体を丸めてうたた..
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岡野弘彦さんの後鳥羽院講演+TRAUMARISでは名和晃平新作展鷹匠の 鷹なくあそぶ 二月かな (安東 次男) 流火草堂の俳号を持つ「あんつぐ」さん、安東次男の句集『昨(きそ)』に収められた一句です。俳人安東さんの代表作のひとつなのではないでしょうか..
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和歌山近美では川口軌外展+折口信夫=釈迢空、最晩年の短歌作品とんと一つ 鼓の音や 福寿草 (松本 邦吉) 詩人の松本邦吉さんとは小生、1982~86年の間、ともに詩誌「麒麟」の同人でした。当時の松本さんは、シュルレアリスム的かつ戦闘的で、果敢な..
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田村尚子写真集『ソローニュの森』、これは素晴しいです+堀田善衛『明月記私抄』を再読野分跡 倒れし木々も 皆仏 (高浜 虚子) 野分(のわき)は台風です。ちょうど今も超大型の台風16号が沖縄本島を通り抜けて北上中。猛烈に強い風が木々をなぎ倒しました。虚子の眼は、無慙..
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早稲田古典籍研究所ワークショップ、〈文〉を主題に盛会でした+米川千嘉子歌集『あやはべる』誕生です片髭の 鯰をはなつ 清水かな (安東 次男) この鯰には顔の片側にしか髭がないのですね。その魚を山を流れる川に放ってやりました。山中の冷気が広がります。片髭ナマズの滑稽感が「俳」でし..
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吉増さんと石田尚志さん、映像ジャムセッションに驚嘆+横浜トリエンナーレ、行きました法師蝉 終りの声に 近づけり (山口 誓子) 今年の九月、どうしてこうまで暑いのでしょう。ツクツクボウシの声は夏の終りを告げますが、今年の夏はどうも終りそうにないですね。さてこの句、..
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ジル・ドゥルーズ『シネマ』1・2、勉強してますが…+三島由紀夫『三熊野詣』、まさに折口がモデルさみし身に ピアノ鳴り出よ 秋の暮 (杉田 久女) 秋は愁い顔の似合う季節。夕暮れ時ひとりポツネンと居間に身を置いているとなんだかさみしくなって、どこかからピアノの音色でも聴こえてこ..
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NHKでは「伝説のロックギタリスト」放送+短歌研究賞受賞式に出ました忌日ある 九月に入りぬ 蝶燕 (橋本 多佳子) 誰か身近なひとが九月に亡くなっているのですね、秋のお彼岸も近いです。秋を迎えて、残された命僅かな蝶が飛んでいます、南に帰る日も近づ..