記事「ジョン・ニコル」 の 検索結果 56 件
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『バイロン伝』第七章 11/13一八一八年の五月か六月かに、クレヤモント孃の腹に生れた娘のアレグラが、英國からヴェニスにやつて來た。やつて來たと言つても、まだ幼いので、スヰス人の乳母に連れられて來た。この乳母はまだ若い女であつたた..
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『バイロン伝』第七章 12/13ヴェニス時代のバイロンは、いろ/\の友人や知己から訪問を受けた。その中で一番興味深いのはシェリイの訪問である。シェリイは當時イタリーに妻と子供をともなつて滯在してゐたが、一八一八年の八月、妻子をバグ..
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『バイロン伝』第七章 13/13この頃からバイロンとの密接な關係に置かれてゐる女性に、グイッチョリ夫人がゐる。これはガンバ伯爵の妹であつて、立派な女性であつた。カステラルが、 「テレサ・グイッチョリは、バイロンの生涯の暴風雨の地..
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『バイロン伝』第八章 1/2第八章 ラヴェンナ(一八二〇―一八二一) ラヴェンナでの生活は、最初の間は比較的平穩無事であつた。と言つても、矢張り彼は社交界に出たり、謝肉祭に加はつたりして遊び廻るのをやめはしなかつた。此處..
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『バイロン伝』第八章 2/2ピザでの生活その他に就いては次章にくはしく述べる事にして、此處にちよつと、足掛け二年間のラヴェンナ滯在の間に於けるバイロンの文學作品に就いて書いて置かなければならぬ。 彼のラヴェンナ時代は、彼の..
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『バイロン伝』第九章 01/10第九章 ピザ──ジェノア 當時のバイロンの旅行ぶりは、實にもの/\しいものであつた。すつかり中世紀の大名行列と思へば間違ひない。そしてこれが彼の派手好きの、大業好きの性格をよく現はしてゐる。先..
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『バイロン伝』第九章 02/10『──テレサ・グイッチョリと、彼女の父と兄弟は、その年の八月下旬にピザに到着した。そしてピザに落着いて、その後まる二ヶ月の問、愛人バイロンが來るのを待ちこがれてゐた。十月二十一日にシェリイがバイロンに..
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『バイロン伝』第九章 03/10一八二二年一月十四日に、エドワード・ジョン・トレローニイがピザにやつて來た。それで、この記念すべきピザのサークルも完成される事になつた。 「ピザにゐた頃は、われ/\は皆三十歳以下だつた。唯一人バイ..
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『バイロン伝』第九章 04/10英本國にゐるバイロンの友人達は、シェリイがバイロンに向つて惡影響を與へはしないかと言ふので、非常に心配した。今から考へて見ると、この心配は、馬鹿々々しく思はれる。しかも當時この心配が如何に強いものだ..
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『バイロン伝』第九章 05/10一方シェリイの方は、この仲間達の間に暮しながら、暫くの間は、知識的にも倫理的にも多大の慰安を見出してゐた。そしてどつちかと言へばかなり元氣もあつた。彼の健康は以前よりはずつとよくなつた。彼は、バイロ..
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『バイロン伝』第九章 06/10メドヰンがピザを出發してローマに行つてから間も無くの、三月二十四日の事である。例の知らぬ人も無い位に有名な、ステファノ・マン曹長とピザのバイロン達のサークルとの喧嘩が起つた。 この喧嘩の事をかい..
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『バイロン伝』第九章 07/10この賑やかなサークルの中にゐながら、シェリイは常に海に憧れた。──海に、その海を走らせる自分の船に憧れた。彼はその憧慢を、ヰリアムスと共に、一つの底の平たい小舟でアルノ川を上下する事に依つてまぎらせ..