記事「幽界通信」 の 検索結果 63 件
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「漁村風景」 (詩集「幽界通信」より)。潮を泳ぐままに尻尾をピーンとはねて 煮られた鰯が干してある とび出た眼玉 空をみつめ 蒸籠(せいろ)に押しあいへしあい 山がぐんと海に陥ちこんだ狭い道や 屋根の上 休暇の..
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「釣られた魚」 (詩集「幽界通信」より)。子供はとくいげにバケツの中を示した。藻草のゆらぐ底で、土色をした小さな{まるた}が二匹、頭を寄せ会って、静かにえらを動かしてした。 一匹は手水鉢に放した。 残りの一匹は、となりの老婆にやったそ..
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「まんぼう鮫」 (詩集「幽界通信」より)。渚にうち揚げられたまんぼう鮫 疊半じょう敷の体をむぞうさに投げ出して うらうらとした春の陽が 粗い灰褐色の膚におどる まんほう鮫には尾ひれがない この不恰好な魚が泳ぐ姿を 私は想..
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「野ばら」 (詩集「幽界通信」より)。昏迷のくらがりから 燃え上る炎を消すまいと いちずな瞳で歩いていた それは幾年(いくとせ)ぶりの啓示(さとし)の火のようでもあった 松原はものうい晝の歌を流し 木の下道はたそが..
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「幽界通信」の目次と小序。大体 創作順に並んでいますが、はじめの 3篇は 中頃のものです。 目次 小序 …深尾 須磨子…七 挿話 野ばら ………ー三 まんぼう鮫………ー六 釣られた魚………ニ..
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「幽界通信」表紙 裏の自署 ならびに 二枚の中表紙。町田 志津子 の 第一詩集「幽界通信」 の表紙をめくると、作者 ご本人様のサインがあります。 生前にお会いすることはかなわなかった私にとって、故人をしのぶ大切な手掛かりの一つでございます。 た..
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埋もれた傑作。町田 志津子 の 第一詩集「幽界通信」。日本文学史上の秘宝。驚嘆すべき奇跡の一冊。 それが、 戦後の日本を代表する二大女流詩人の一人、町田 志津子 さん の 第一詩集です。 (ちなみに 「二大女流詩人の あと もう一人が誰か」..
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そう言えばあたくし、作曲家なので、自作曲のピアノ弾き語りを、今回は しました。 思えば最近は、余興ばっかり、やっとる気が。 (披露宴 (人形と結婚) イベントの司会をしたり。) (「ぱーぱらー合唱団」と称してアバンギャ..
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[動画] ひんでんさんの「幽界通信」ピアノ弾き語り。沼津の戦争未亡人の詩人・町田志津子の詩「幽界通信」に曲をつけました。 なんでか白昼、死んだはずの旦那さんに、遭遇したようです。 動画は、こちら。 https://www.facebook.c..
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[動画] ひんでんさんの「彼岸」ピアノ弾き語り。動画は、こちら。 https://www.facebook.com/photo.php?v=309658779170682
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「秋分」 「彼岸」 並びに 北川冬彦による跋 (詩集「幽界通信」より)。秋分 數葉 地に敷き 露 草に溢れ 鳥屋(とや)の藁を 卵のぬくみ 思念の果てに 澄む 碧落
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町田志津子の第一詩集「幽界通信」の作者本人による「あとがき」と「奥付」。あとがき 北川先生の「麺麭」に投稿しはじめ、深尾先生のお宅に伺うようになってから、二十年近くの歳月が流れている。得がたい両先生の教えを頂きながら、戰爭によって日本の女性の多くが受けた..