記事「思想哲学」 の 検索結果 160 件
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佐々木俊尚『レイヤー化する世界』の書評2:国民国家・民主主義の世界システムは普遍的か?グローバルな範囲で膨大なユーザーを集める先端的なネット企業は、本社機能(ブレーン)を担う少人数の精鋭部隊以外は、自国で大勢の正社員を雇用するわけではない。ネットビジネスをする上で必要になってくる細かな..
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『風立ちぬ』の喫煙描写と『はだしのゲン』の残酷描写へのクレームについての雑感:4『はだしのゲン』には確かに小学校低学年くらいの子供に見せるには、少し過激で残酷な暴力表現(感受性の強い繊細な子供には心理的負担・恐怖になるような表現)が含まれているところがあるので、『一切の年齢制限が..
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『風立ちぬ』の喫煙描写と『はだしのゲン』の残酷描写へのクレームについての雑感:3中沢啓治さんの『はだしのゲン』は戦争(原爆投下)によって人間がモノのように蹂躙され殺戮(破壊)される非情な現実を劇画調の漫画で描いた作品であり、基本的に『反戦思想(反軍思想)・平和主義』を伝えようとす..
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アナキズム(無政府主義)と社会契約論(統治権力論):国家・法の権力がない自然状態をどう見るか国家権力と法律の正義は分かち難く結びついているが、ドイツの法学者のハンス・ケルゼンが『法とは物理的な強制をも正当化する規範の体系であり、国家とは法規範の体系の擬人化である』としたように、国家は『物理的..
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チェーザレ・ロンブローゾの生来的犯罪者説と『善人(正常者)』と『悪人(異常者)』の境界線善人・悪人の境界線をきっちりと引く『人間性二元論』(前記事を参照)を、進化論(社会進化論)を前提とする科学的方法で実証しようとしたのが、イタリアの精神科医・法医学者のチェーザレ・ロンブローゾ(1836..
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U.ベックの“個人化”と自由・孤独な個人の“自己の物語化”によるアイデンティティ再構築ドイツの社会学者のウルリッヒ・ベック(Ulrich Beck, 1944~)は、近代社会では個人は伝統的な家の縛りや村落共同体、血縁共同体、身分階層、宗教の規範からどんどん解放されていく『個人化(in..
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近代化による“自己(自分)”と“共同体感覚”の変化:帰属感・安定感を弱める現代の自己現代では自分が他の何物でもない唯一の自分であること、自分が他者から独立した意識や世界観を持つ独自の自己であることは、あまりにも『自明な前提』になっているし、『個人主義・プライバシーの重視・ウェブの浸透..
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キケロー『友情について』の書評2:変化し続ける状況と変化しない友情『友情とは何か?』の本質論についてラエリウスは、友情は順境をいっそう輝かせ、逆境を分かち担い合うことで軽減してくれるものと定義し、『まるで自分に語るように、安んじて全てを語ることができる人を持つことほ..
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キケロー『友情について』の書評1:ラエリウスと小スキピオの不滅の友情を巡る対話篇古代ローマ市民が理想とした『友情』のあり方を、哲学者キケローが、思慮深い執政官ガーイウス・ラエリウスの口を借りて、二人の女婿に向けて語らせる構成になっている。ラエリウスが亡くなった親友の小スキピオとの..
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憲法9条の平和主義は“国際情勢と安保環境の変化・国連活動への協力”に対応できないのか?帝国主義時代の西欧列強の利己的な侵略戦争(消費市場・生産拠点・奴隷的労働力の開拓)や圧倒的な力の差がある国・地域の植民地支配はともかく、戦争・紛争の多くは『戦争を望んでいないはずの国民(殺したくもない..
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カミュやサルトルの実存主義では、“人間の自由と苦悩・人生の価値”をどう考えるか?カミュのエッセイ『反抗的人間』では、明晰な理性で世界や人生を観察する時に出現する非合理的な説明のつかない不条理に対して、迷信(神の信仰)で目を背けたり自殺で逃げたりすることを批判し、その運命的とも言え..
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人は運命的な理不尽にどう抵抗すべきか?2:理不尽さと文明社会との終わりなき戦い自然の摂理にせよ不可避の宿命にせよ、実現主義が示すように人間がいつか死ぬべき存在であることは『現状の倫理の前提』になっている部分はあります。それでも現代の平和で豊かな時代で生きる私たち人間は、『理不尽..