記事「poem」 の 検索結果 515 件
-
時の神様飲みほした珈琲のカップが まだほんの少し暖かい テレビではさっきから 年末のニュースが流れている 今年も最後のカレンダーを めくる月日が近づいている 最後の一枚をしまう時の ..
-
みんなサンタ、みんな詩人大掃除の窓ふきの 向こう側に見える景色は 五階建ての雑居ビルが 一番のっぽな町の景色だよ おろしたての雑巾で 四角い窓を拭くたびに そこに映る建物も一緒に ピカピカになっていく気がし..
-
確かな言葉「冬だよ」って とつぜん大きな声で 僕たちが叫んだらどうなるんだろう たぶん 誰もいないこの冬の公園では 何にも起こらないだろう それでもほんの少し 好奇心の強い北風小僧がいたら..
-
寒空の真下に普通電車を降りてくる まばらな人の靴音 震える電線の真下 帰り際の急ぎ足を止めたのは ゆっくり降りてくる遮断機の音 さっきと変わらない速度で 何度も違う電車が ラッシュアワーを通..
-
往復行ったり来たりの道 見慣れた景色 少し変わったのは 花屋の玄関に 自販機が置かれたことだけか 朝に目覚めて歩き 日暮れにはまた戻る モスグリーンの フェンスに囲まれた 桃..
-
にぶんのいちすきときらいだけの ふたつにわけられた かなしいせかいばかりだったから とてもとてもだいすきのせかいも いつかすきになれるせかいも そばにあったほうがいいな 白と黒 いつもふたつ..
-
光と夜のはんぶん夜が またやってきた 辺りは当然のように 薄暗くなってきた 僕の国の空にいた太陽は 君の国の空にあずけられて 今頃きっと おだやかに笑っているだろう 何も遠慮しなくていいじ..
-
石ころ流星群夜の色が深くなる冬空は 星の色まで際立ちます 凍えないように 自らのひかりを 瞬かせているようなかたちです 夜の色が深くなる舗道は 靴の音まで際立ちます 迷わないように 自らのあし..
-
外の世界は昨日の夜 激しく降っていた雨で 外の世界は濡れている 昨日の夜とは違う 外の世界に濡れている 今日は何処にも行かない 乗用車のワイパーの先にも 子供の置き忘れた おもちゃの..
-
告白いつまでも 僕のそばにおってね 私のうどんにおってね 究極の 愛の告白が響いてくる おかしくて立ち上がる 二人分の影 はしゃぎながら駆けてゆく 単線のまぎわを 歩く猫さえ..
-
月夜の一群月夜だよ 狭くて息苦しい 真昼の場所から抜け出した 今日の心の地平に やっと辿りついた僕らだよ 溢れかえる 家路へと向かう一群は 鳴き声ひとつ立てようとせずに 今夜眠れる場所へ..
-
ずっとずっと秋の桜の木が 赤い葉を抱えている 風が渡るアスファルトは 並木道を描いている 赤く滲んでいるのは 夕暮れか 離れ離れになる一葉か 木立は 心細く影を伸ばしながら 小刻みに..