記事「poem」 の 検索結果 514 件
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飛べない背中にしばらくぶりの雨の音 叩きつけるような雨の音 朝の窓 一気に全開したら 雨宿りの小鳥が飛んでいった 狭い屋根の下 羽を寄せ合いながら ずっと雨を凌いでいたんだ 何気ないよう..
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限りなくもうしばらくは このままでいさせてほしいの そんな短い会話のように 今日も春の風は吹いていた どんなに初夏の香りがしても 今はまだ春だからって 風は深呼吸繰り返すように 止ま..
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一瞬という一枚をあの時撮りたかったけど 撮れなかった 胸を踊らせた被写体を もう一度目とじて 少しずつ思い出してみる そうして今度は 二度と見失わないように 固く固く意を決して その瞳の奥..
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君に光と花びらを生きるって辛いねって 桜だってきっと思う日もある 短い春の中で 満開の桜が咲いている けれども散りゆく桜は 泣いているわけじゃないのか 木漏れ日の間を広げるように 肩落とす人..
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桜の予感通りにある大きな桜の木 揺れる木々の枝 ずっと空白だった 細い枝と枝の間に 初々しい蕾のかたちが帰ってくる やがてその空白は あふれくる花の色に満たさ..
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白い町白い雪が溶けて 白い花が咲いたら 白いセーターを着ていた君も 白いシャツに着替えるだろう だけどこの町の雪が溶けて どんな山の色が見えても どんな道の草が揺れても このまま消えて..
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少しずつ春そっと肩にかかったのは 午後の光のベール それは淡い春の兆し まだ寒い時の色を ほんのり包んでくれる 小さな春のぬくもり 教えてくれる 歩き出せば見えてくる 水たまりの中の..
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がらんどうの空にがらんどうの空に 月だけが微かに輝いている 真冬の風がせわしそうに 一本線を街の夜空に残してゆく 子供の頃 あんなにあった星も 霞んでどこかに行ってしまった 埋め尽くしたいも..
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さよならなんてしたくないうぶごえをあげたいのちが ひらいてにぎりしめる 小さなこのよのひかり 忘れてしまうほど強い一瞬 それは通じる胸の奥底に きっと刻まれてゆくんだ 生まれて生きていく途中で 通り過ぎ..
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濡れないようにとつぜんの雨に濡れる 街角のコンビニ 乾く暇もない髪のまま 急いで駆け込んでゆく人 店先に貼られた レイングッズのポップ 「カサ あります」 とつぜんの雨は そのままに..
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スタートライン太陽は曇り空でも上空で輝いている そして今年も初めての空に 光の一筆を振る舞い始めた すっくりと地上に立つ僕たち 遠い遠い子供の頃 舗装されていなかった土の頃は 友達と一本の棒を拾って..
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本のお知らせです。 詩誌『回生』第て号(通巻36号)詩誌『回生』第て号(通巻36号)発行されています。 最新号 て号(通巻36号)表紙(画:明才) 詩誌『回生』が関西と関東で入手可能となったそうで..