記事「お話」 の 検索結果 3577 件
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究極の完全犯罪 その16「オラオラ、ホームレスが恐喝か。ふん、疾風にケンカを売るとは大したものだ。え、この落としまえ、どうつけるんだ」 疾風と聞いて鼠男達はすごすごと引き上げてしまった。お姉さんは北本が出てきた時には..
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究極の完全犯罪 その15北本の調査のついでに課長の家のことも探ろうと思ったのが幸いした。課長の家は幽霊タウンの3つ手前の駅の小さい戸建てが建て込んだ一角にあった。少し離れたところを自転車で行き来して様子を伺った。二..
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究極の完全犯罪 その14幽霊タウンに住みついて5年になるお姉さんはここに住んでいる身内のことや、時おりホームレスなんかがやってきて住みつくことなどを話してくれた。冷暖房や風呂のエネルギーはすべて電気で賄うという優雅なも..
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究極の完全犯罪 その13車が去ってから10分ほどして俺は北本の部屋の裏に回った。やっつける相手のことは生活習慣や行動まで把握していなければ、思わぬ所で足を掬われるからだ。洗濯物などが干してあったら、シャツ一枚で暮ら..
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究極の完全犯罪 その12急いでホームへの階段を駆け上がった。そしてホームにある安床屋に飛び込み、丸坊主に、と注文した。バリカンで刈ってもらっている間ホームの様子を注視した。誰かは誰だか分からないが、感覚で分かる。相..
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究極の完全犯罪 その11俺は岸谷小夜子の顔を見た。俺の意図を察したのかちょっと思案げに顔を傾けてから話し出した。 「250万円はこの前怪我をした塚田っていう人の会社から支払われた機械代金ですよ、きっと。私、入金がない..
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究極の完全犯罪 その10ちょっと古びた建物だ。コンクリートの階段を上ってゆくと、暖簾が出ている飲み屋があった。店内はこじんまりした小料理屋だ。こんなに早く開いている店も珍しい。職安の近くだからなのだろうか。 「君はい..
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究極の完全犯罪 その9「北本はせこい奴だから、いつもおばちゃんは頭にきてたの。定食の代金を払わなかったり、おかずや御飯の量に文句をつけるのなんて毎日のこと。好き放題だったのよ。おばちゃんは昨日の夕方、吉田さんがクビにな..
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究極の完全犯罪 その8岸谷小夜子は本当のことを話したのか、それとももう一度俺を罠に嵌めて北本と一緒に俺の嘆きを楽しもうとしているのか、今は分からない。いや、わかったところでどうにもならない、ってことだ。苛めっ子が虐め..
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究極の完全犯罪 その7そのまま正面の通用門へ向かった、昨夜の守衛が「クビになったの?可哀想に、ただ酔っぱらっただけなのにねぇ」と言った。 「おじさんもスマホをするのかい」 「いや、普通のケイタイだけど、配信された..
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究極の完全犯罪 その6翌日出社すると北本が笑いながら言った。 「ちょっと話があります。来てくれますか」 そう言っただけで3課から出て行った。俺も後をついて行った。課長は何も言わない。 「こんないやらしい写真を..
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究極の完全犯罪 その5バスを待っている間、俺は周りに気を配った。もしかして……ってこともある。どこで監視されているか分からない。あいつは俺が病院へ行く時間を知っていた。後をつけてきたとも考えられる。まさか午後になって..