記事「パロディ」 の 検索結果 1753 件
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 23「第四章」 ドモンとキョウジが、カッシュ邸から脱出をしてから丸一日が経つ。 二人が目指した男―――東方不敗マスターアジアの家は、人里離れた山の奥に、ひっそりとあった。ドモン..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 22「よかった……私、ハヤブサに聞きたいことがあったんだよね」 キョウジが、人懐こい笑みを浮かべて顔を上げてきた。 「聞きたいこと?」 「龍の勾玉のことさ」 「…………!」 「それって…ハヤブ..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 21しばらく潜むのに適していそうな空き家は、割とすぐ見つかった。 家に人の気配が無いことを改めて確認し、尾行がついていないことも確認してから、壁抜けの術を使って忍び込む。夜露をしのげるし、ハヤブサを..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 20疾走するキョウジの背に追われながら、ハヤブサは朦朧とする意識をかろうじて保たせていた。 (……同情、されたのか…) キョウジの甘すぎる性格から考えて、十分にあり得るとハヤブサは思った。何も..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 19「捉えたぞ、残月―――」 クナイを手に、ハヤブサは歩きだす。 (まずい!) 残月は焦った。右肩をやられ、利き手が使えない。左手でハヤブサとやり合うのは分が悪すぎる。幻術を使おうにもこの出血で..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 18「そうか……」 残月は、薄く笑う。 「しかし、主がいくら望んでも、儂は今『荷物』を抱えている。まともにやり合う気なぞ、さらさら無いわ」 「――――!」 ピク、と、ハヤブサの眉が釣り上がる。..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 17「キョウジ・カッシュを捕らえるとは、さすがだな―――しかし、らしくないではないか。儂の気配に気づかんとは」 そう言って、残月と呼ばれた男は、キョウジを抱えたままクックッと、笑う。その声には、ハヤブ..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 16まず、シュバルツの目に飛び込んできたのは、冷たいコンクリートの床だった。ここはどこだ、と、身体を起こそうとして、手足の自由が利かないことに気づく。縄のようなもので縛られていた。 (そうだった……私..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 15「第三章」 知っていた。 知っていました。 私は、貴方の――――。 ハヤブサが、この廃ビルに入ってから、少し時間が経過していた。 (迷っている……) ハ..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 14「――――!」 不意に、キョウジの意識が戻った。と、同時に、自分の身体が狭い不安定なところに押し込められているのを感じる。いきなり下からガクン、と突き上げられ、頭をぶつけた。 「いてっ!」 ..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 13二人にとって不幸だったのは、ここが誰もいない荒野ではなく、街中だったということだ。 とあるアパートの一室で、母親が娘に起こされていた。 「のどが渇いた」 と、言うので、娘に茶を入れてやる。茶..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 12シュバルツの目的ははっきりしている。ハヤブサとの戦いを、少しでも長引かせること。あわよくば、打ちとること―――。しかし、ハヤブサの繰り出す攻撃は、一撃一撃が鋭く、重い。そう何合も受けきれるものではな..