記事「ポエム」 の 検索結果 3080 件
-
ヒグラシ ~彼の人の手記から~あの秋の日に わたしは 「はい」 と返事をした 貴方が結んでくれた 赤い糸にすがったの 手を取り合って 泣き笑いして 一緒に歳をとっていこうと 固く誓ったあの日 茂ったス..
-
レインコート季節はずれの雨の中 レインコートの人が歩いてくる 見かけなくなった レインコート なんだか懐かしい 雨の日といえば 当たり前だった 誰もがみんな 着ていたはずで ..
-
精霊流し海を見晴るかす 小高い丘の上 あなたの墓石の前に 緩やかに立ち止まる 大海原を渡った風も ここに一緒に立ち止まる オイル・ライターを開き 線香に火を移す 香の匂いが風..
-
黄色い星の花黄色く染め上げられた 星の花が咲いている 夏の陽射しを浴びながら 細い腕を伸ばしながら 青い夏空に 入道雲が形作る 白い陰に身を寄せて 小さくため息 松林を抜ける 潮騒..
-
水平線雨に煙る水平線 遠く船が遠ざかる 松ノ木の翳に戯れる 玉虫の背中に虹が揺れてる 君はその指先に 雨の一しずくを受けて そっと唇に当てている 夏色のブラウスがまぶしい ..
-
歌遠く水平線が 波の歌を口ずさむ頃 風の子守歌に抱かれて 人は眠りにつく 瞬く満天の星は 天空の歌を口ずさみ 人は夢の中で その歌を聴く 雲は決して足を止めず 遠い異..
-
ねぇねぇ ふと君を想うと こんなに胸がときめくのはなぜ? ねぇ 君の瞳が濡れたとき こんなに胸が痛むのはなぜ? ねぇ 物思いにふける横顔を 決して見飽きることがないのはな..
-
銀兎古来 月には兎が住むと考えられた それ故に人は 月を 「銀兎」 と言う それは 夜空に冴え渡るともしび 旅路を辿る流れ星の目印 瞳に光を灯す微笑み 涙を誘う透明な輝き..
-
どんなにわたしが変わってもあなたはわたしにとって 今でも “あなた” のままで もしかしたらそれは 迷惑かも知れないけど やっぱり あなたは “あなた” ずいぶん長い時間が流れた 街の色も風の匂いも変..
-
爪紅爪紅の赤い花びらで そっと爪に紅を引く 淡い唇の色と どこか似てると 貴方は言う 揺れる面差し 翳る眼差し 夏の木漏れ日が わたしを包む 貴方の腕にすがって 空を見上げて..
-
飛行機雲飛行機雲が 航跡を描いている 青い空に 切れ目を入れたみたいに 境目のないキャンバスに 境界線を描いたみたい 空の Horisontal Channel 貴男..
-
影踏み貴方の影を踏む 逃げる素振りもない影を さりとて受け入れるでもない ただそこに立つ影 逃げ水のように 追いつけない人 陽炎のように つかめない人 その素振りは 嘘とは言..