記事「戦争と平和」 の 検索結果 675 件
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『桜島・日の果て・幻化』/梅崎 春生/講談社/「生きること死ぬこと、極限状態の深層心理」戦争文学なのか、戦後文学なのか、とかく分類したがる人の中で、『桜島』に対する表現が違う。そんなことより、『桜島』が何を描こうとしたのかを読むことが必要だ。 アメリカ軍の沖縄上陸、沖縄戦の悲劇..
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『8月の果て』/柳美里/新潮社/「朝鮮併合と戦争、そして戦後、いま、未来」横山秀夫の『出口のない海』は、野球投手とオリンピック候補の陸上選手を襲った戦争を描いている。本小説は、日本に併合された朝鮮半島の幻の五輪マラソンランナーの生涯をたどる力作である。 日本が引き..
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『戦争する国しない国』/浅井基文/青木書店/「いま平和観、国家観が問われている」天木直人『さらば外務省!』は、外務省の内実を暴露した本として世間に衝撃を与えた。この著書の中で、外務省を見限って辞めたOB、浅井基文について述べられている。 この浅井基文に対し、「今後もし外務省..
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『南京難民区の百日―虐殺を見た外国人』/笠原 十九司/岩波書店/「思い出すのもおぞましい地獄の日々」思い出すのもおぞましい。どこをどう話したらよいのか見当もつかない。このような酷い話は聞いたことも見たこともない。レイプ、レイプ、レイプばかり。強姦事件は一晩に千件は起こり、昼間でもたくさんある。日本..
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『出口のない海』/横山秀夫/講談社/「戦争が歪めた生と死」第二次世界大戦の実体験を語れる人たちも少なくなってきている。戦後直後の民主主義教育を受けた人さえ、高齢者の部類に入ろうとしている。ここ数年、戦争の事実を記録に残す書の出版が相次いでいるような気がする..
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『国家に抗した人びと』/新藤謙/子どもの未来社/「戦時下、国家のウソに騙されず未来を見すえた人びと」寺子屋新書が創刊された。ナンバー001は斉藤貴男の『教育改革と新自由主義』だったが、その後も教育問題を中心に発行を続けている。 さて、『国家に抗した人びと』とのタイトルにあるように、本書は戦..
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自民党新憲法草案「9条」/海外での武力行使を可能とする戦争可能法案だ自民党が10月28日に発表した「新憲法草案」。「前文」の紹介をすでにしたが、今回は「9条」を読んでみたい。 9条第1項はそのままだが、第2項は全文削除。「戦力は、これを保持しない。国の交戦権..
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『ガリヴァー旅行記』/スウィフト/岩波文庫/「18世紀初頭の思想を知ることができる批判的物語」ガリヴァー旅行記という名を聞いたことのある人は多いだろう。私自身も子供の頃に子ども版を読んだことがある。全文の翻訳書を読むのはこれが初めてである。 小人の国や巨人の国の話は、子ども時代の記憶..
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自民党新憲法草案「前文」/こんな憲法にしてはならない自民党は10月28日、「新憲法草案」を発表した。現行の構成を維持しているが、その内容は現行憲法の理念を根本から覆すものである。 そもそも憲法とは何か。現行憲法「前文」には「そもそも国政は、国..
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『「戦火のなかの子どもたち」物語』/松本猛/いわさきちひろ絵/岩崎書店今年は、いわさきちひろ没後30年になる。ちひろの息子松本猛が、絵本『戦火のなかの子どもたち』が出来上がるまでの、いわさきちひろの心を描いている。 「戦争は、戦闘行為をおこなっている人だけが犠..
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『ぼくの描いた戦争』/手塚治虫/KKベストセラーズ/「戦争を描いた手塚治虫のマンガ」マンガ本を買うのは何年ぶりだろうか。もうずいぶん買っていないような気がする。マンガにも心を打つものがあり、話題作を買うこともある。滅多にないが・・・。 手塚治虫のマンガはテレビを中心に知って..
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『夏草』/前田 純敬/高城書房/「少年が見た空襲の実態」1945年3月18日、鹿児島市街が強烈な爆撃を受けた。グラマン戦闘機1200機と伝えられた。中学2年生の慶二が見た戦争の悲惨さを描いた小説が蘇った。 爆撃に破壊された家屋、炎上する街、瓦礫と..