記事「新潮文庫」 の 検索結果 298 件
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「深夜特急2」沢木耕太郎著20代半ばだった著者が香港をスタートしロンドンに至る長い旅路を綴る全6冊の旅行記、その2冊目のマレー半島・シンガポール編である。 主な滞在地はバンコク/クアラルンプール/ペナン/シンガポール、そ..
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「東京路上探検記」文:尾辻克彦/絵:赤瀬川原平ゆるいもの・無用と化したもの・過剰なもの、など、いわゆる道を外したモノを機能優先の都会の景色に発見しようとする著者の活動の中で、本書を時系列で位置づけると次のようになる。 超芸術トマソン(昭和5..
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「空の怪物アグイー」大江健三郎著おそろしげで圧倒的な迫力を持ちSFテイストも備えた難解な作品。 と誤解してしまいそうなタイトルに反して、じつは、脈打つ文体に繊細さと叙情をにじませた、著者20代の若々しいイマジネーション豊かな短編集..
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「西の魔女が死んだ」梨木香歩著純粋で清潔な光線に浄化されるような作品。 めっちゃ簡単に言うと、登校拒否になった中一の女の子がしばらくのあいだ田舎の祖母と暮らす話だ。 その生活は基本が自然の恵みを生かしたもので、さらに、..
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「江戸川乱歩傑作選」江戸川乱歩著乱歩といえば角川文庫から大量に発刊されていたエログロ長編群がまず目に付いた1970年代に、いちお格調らしきものを志向していた新潮文庫から、乱歩で一冊だけ刊行されていたのが、この比較的初期の短編集である..
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「ペスト」カミュ著/宮崎嶺雄訳書かれた時期は第二次世界大戦のあとすぐ、設定は致死性の高い伝染病であるペストが流行し、ほかの町への感染を避けるために封鎖されてしまった町、そこを舞台に主人公の語り手である医師のほか、神父や新聞記者や犯..
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「黒猫・黄金虫」ポー著/佐々木直次郎訳広く分類すればホラーまたは推理小説。 ただし自己の内面に向う神経質な屈折が強い短編集。 収められた五つの短編は、最後の“黄金虫”を除いて、ヒャーな出来事やヒエーな結末を描いたもので、共通してる..
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「桜の園・三人姉妹」チェーホフ著/神西清訳今から100年ちょっと前にロシアで書かれた戯曲(=演劇の台本)で、日本文学でも100年前のものなんて古臭くてほとんど読めたもんじゃないのに、親しみの無いロシアの名作でしかも戯曲なんて、どうせ小難しくて..
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「老人と海」ヘミングウェイ著/福田恆存訳苛酷な設定とシンプルなストーリーを使って、ハードボイルドの文脈で虚無と実存を骨太に追求した長編。 みたいな感じで、なんの因果か本書で読書感想文を書かなければならない状況に追い込まれた方は、うまく..
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「日本のアウトサイダー」河上徹太郎著明治から昭和戦前にかけての文芸(とくに詩)と社会思想において、本流から外れた流れに居た作家と思想家を取り上げ、本書が著された昭和戦後民主主義最盛期の視点から振り返って、外伝として位置づける評論的な試み..
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「ノンちゃんの冒険」柴田翔著解説が引用するやや批判的な言辞に拠れば、「たわいのない女の子がたわいのないことをしでかすと、中年のおじさまたちが寄ってたかってそれをできるだけむずかしく考えてしまう」作品である。 あああ、解説に頼っ..
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「銀河鉄道の夜」宮沢賢治著ごめんなさい。すいません。申し訳ない。 最初にとりあえず謝っておきます。 それと、読書感想文のネタ探しでこの記事に来られた方には、役立つ記述は皆目ありません。 たいして長い作品でもな..