記事「新潮文庫」 の 検索結果 298 件
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「人民は弱し官吏は強し」星新一著SFショートショートの大御所だった星新一さんが、父親の半生を描いた伝記で、著作群の中でも異彩を放っている、でも代表作のひとつ。 父である星一氏が明治時代にアメリカで苦学の末に帰国し製薬会社を興..
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「人の砂漠」沢木耕太郎著めっさ暗いノンフィクション短編集である。 小説というのは自由なジャンルに見えて実は有形無形の制約が多い分野で、読者のイマジネーションの範囲を超えてしまうようなテーマやストーリーは支持を受けにく..
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「狭き門」ジッド著/山内義雄訳“力を尽くして狭き門より入れ” --- ルカ伝第十三章二十四節 狭き門、と云うと本邦では難関試験なんかの喩えに使われることが多いけれども、原典である聖書の記述では、宗教的な修養による困難な達成..
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「影武者徳川家康」(上・中・下)隆慶一郎著日本史が苦手なのでふだん歴史小説はめったに読まないが、タイトルのインパクトに釣られて手に取ったら、これがもー、しっぷーどとーのダイナミックな展開で、全3巻千五百頁を越す長編をあれよあれよという間に読..
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「オリンポスの果実」田中英光著さいきん復刊された『オリンポスのポロン』(吾妻ひでお著、早川書房)のネタ本。 ではない。 著者は今ではほとんど忘れられた作家と言ってよいであろう。戦後すぐに太宰治氏や坂口安吾氏らを指して..
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「痴人の愛」谷崎潤一郎著驚いた。書かれたのは大正時代、今から約80年も前の作品である。にもかかわらず、題材と云い心情と云い全く古びていない。扇情的に書くならテーマは調教と逆転である。 初読は当Weblogの例によって..
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「悪夢小劇場」花輪莞爾著この短篇集はかなり好きで何回か読み返している。題材がバラエティ豊かで、ちょっとした笑いと恐怖がよく効いている。さらに特筆すべきは題材によりテキストの調子を変える工夫を凝らしていて、ストーリーテリング..
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「奇岩城」モーリス・ルブラン著/堀口大學訳ルパンIII世の原作本である。 とか書いたらWebの拍手ボタンじゃなくて鉄拳ボタンを押されそうだ。 "名探偵シャーロック・ホームズ"と並び称される"怪盗ルパン"シリーズの一冊。ミステリー..
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「りかさん」梨木香歩著「子供向け?衝撃的 大人向け」について Weblogトップページからテーマ“本”であちらこちらの記事を逍遥してた中で面白そうだったこの本を買ってきた。 お、面白かった。と思わず口ごもるような..
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「河童・或阿呆の一生」芥川龍之介著芥川龍之介氏の晩期の作品は、しんしんと冷え込む夜によく似合う。 本書所収の作品を読んでいると、冬枯れの堤防を独り歩く著者の後姿が思い浮かぶ。 それは文学的な位置付けであるとか物語の構成であるとか..
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「車輪の下」ヘルマン・ヘッセ著ライトノベル温故知新/番外編? 本棚の並びがそーなってただけで特に企んだわけではないけれども、あんがいとライトノベルの始祖のような作品なのかもしれない。 初読は・・・あああこのWeblogを..
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「官僚たちの夏」城山三郎著昭和30年代の通産省を舞台に、身を粉にしてまさに死ぬほどめちゃめちゃに働きまくるキャリア官僚たちを描いたビジネス小説。 キーワードは“無定量・無際限に働く”(^_^;) 派閥抗争や権限闘争や政界..