記事「日経新聞」 の 検索結果 2587 件
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『タイム・アフター・タイム』(187~192)尾崎の話によれば、赤松峰子との一回目の打ち合わせは、かなり屈辱的なものだったらしい。 「で、誰なの? 最終的に甲斐宇童を推したのは? 審査員たちの総意、総意って、そんな当たり障りのない話を..
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『タイム・アフター・タイム』(181~186)第七章 「いい気なもんだよ」 ミーティングルームに、中井チーフの吐き捨てるような声が響いた。 「……久遠さんってさ、前からそうだけど、詰めが甘いっていうか、雑っていうか、そういう所あるよね..
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『タイム・アフター・タイム』(176~180)警察から連絡が入ったのは大晦日の朝だった。 「見つかったの?」 「まだ、居場所は分からないんだけど、颯たちらしい二人が、いくつか防犯カメラに映ってたらしくて確認してほしいって」 その..
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『タイム・アフター・タイム』(170~175)ただ、律子と父に宛てた置き手紙があった。 『ご迷惑ばかりかけて本当にすいません。数日だけ一人にさせて下さい。必ず戻ります。本当にごめんなさい』 尾崎の置き手紙が見つかったのは、クリスマ..
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『タイム・アフター・タイム』(164~169)目を覚まして最初に見えたのは、薄いカーテンだった。 洗面所で倒れている凪沙を見つけたのは、律子だったらしい。 救急車が呼ばれ、凪沙は病院に運ばれた。 もちろん命に別状はなく、傷口..
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『タイム・アフター・タイム』(158~163)凪沙が顔を洗っている間に、尾崎は外出していた。県立図書館に行ったという。 ということは、久遠と一緒に違いなった。 「ねえ、尾崎くん、何か言ってなかった?」 唐突な娘の質問に、両親は..
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『タイム・アフター・タイム』(151~157)第六章 平出凪沙 十六歳/高校二年生 西棟の校舎の窓からは、夕日を浴びたグラウンドとその向こうに百万ドルの夜景と謳われている長崎湾の景色が見渡せる。 「凪沙、ここにいたんだ。帰ろうよ」 ..
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『タイム・アフター・タイム』(145~150)「……お願いっていうのはね、ちょっとだけ待ってほしいのよ。もちろん、颯くんの気持ちを考えたら、こんな手前勝手なお願いなんてできないんだけど、今、美南、ちょっと冷静じゃないと思うの。私が美南を説..
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『タイム・アフター・タイム』(139~144)「いくよ」 ピンポン球に息を吹きかけねがら十八歳の尾崎はサーブのポーズを取った。 向こうでは同じ十八歳の久遠が腰を落として、右に左に動かしていた体をぴたりと止める。 「よし、オッケー..
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『タイム・アフター・タイム』(133~138)第五章 裏切りの秋空 「なんだよ、それ。……そんなの、ただの金蔓だよ。ちょっと考えれば分かるだろ?」 「そんなの百も承知だよ……。俺だって分かってるよ。お前が思っているほどバカじゃないよ。いや..
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『タイム・アフター・タイム』(127~132)第五章 裏切りの秋空 あれは荒川が氾濫しそうになった夜のことである。 ベランダで海斗と二人、ずぶ濡れになりながらも濁流となった川を見続けていた。 「ねえ、もしあの川がこっちまで来たら、ど..
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『タイム・アフター・タイム』(121~126)第五章 裏切りの秋空 尾崎は紅葉を写真に撮った。 自宅へ戻ると、すでに美南も帰宅しており、「おかえり」と、わざわざ玄関まで出てくる。 「珍しくマンションの人に声をかけられたよ」 「へえ..