記事「映画」 の 検索結果 220617 件
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満たされぬ家族愛が生む孤独~映画「愛する人」満たされぬ家族愛が生む孤独~映画「愛する人」 小津安二郎の「麦秋」(1951年)は老いた大学教授(笠智衆)のもとで行き遅れた紀子(原節子)が、周囲の善意の中である男性と結婚し、残された父親がひとり孤独..
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描いたのは、意識の自立~映画「英国王のスピーチ」描いたのは、意識の自立~映画「英国王のスピーチ」 田中角栄を思い出した。彼も幼いころ吃音症に悩んだ。博労(馬の仲買人)の父はばくちで身を持ち崩し、貧困の中で小学校を出、そのまま職に就いた。父が好きだっ..
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敗者たちの温かさ~映画「海炭市叙景」敗者たちの温かさ~映画「海炭市叙景」 佐藤泰志の連作18編のうち5編を取り上げ、オムニバス風に仕上げた。「海炭市」は架空の地方都市である。だが、ひと目見れば函館がモデルになっていることは分かる。そこで..
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美しい農村風景にひそむ闇~映画「白いリボン」美しい農村風景にひそむ闇~映画「白いリボン」 実った穂が一面に揺れる。ところどころに森がある。モノクロの画面に広がる風景はこのうえなく美しい。ドイツ北部の農村。時は第一次大戦の直前。 村のドクターがあ..
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「映画」という体験~「ヘヴンズストーリー」「映画」という体験~「ヘヴンズストーリー」 「映画を観る」というより「映画を体験する」といったほうがいい。「観客が観たい映画を撮る」というより「撮りたい映画を撮る」という志が潜む4時間38分。長尺も表..
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あらかじめ失われた恋人たちの物語~映画「ノルウェイの森」あらかじめ失われた恋人たちの物語~映画「ノルウェイの森」 断っておけば、村上春樹と同年代である。1960年代後半を過ごした大学キャンパスではほぼ同様の「洗礼」を受けた。しかし、それがどのように体内に蓄..
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重厚だが何か足りない~映画「終着駅―トルストイ最後の旅」重厚だが何かが足りない~映画「終着駅―トルストイ最後の旅」 ロシアの文豪トルストイが最晩年、家出を決行したエピソードはよく知られている。トルストイの妻が歴史に残る悪妻であったという逸話も広く流布してい..
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タンゴのようにせつなくて~映画「瞳の奥の秘密」タンゴのようにせつなくて~映画「瞳の奥の秘密」 あれは、なんというのだろう。寄木細工のからくり箱を開けると、中に一回り小さなからくり箱が入っている。それを開けると、もう一回り小さなからくり箱が入ってい..
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「犬死」をした少女たち~映画「樺太1945年夏 氷雪の門」「犬死」をした少女たち~映画「樺太1945年夏 氷雪の門」 「人間の条件」(五味川純平原作)に、主人公の梶がソ連に抑留されるシーンがあった。戦時中にもかかわらず社会主義に共感するインテリだったが、戦後..
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孤独な魂は奈落に沈む~映画「悪人」孤独な魂は奈落に沈む~映画「悪人」 吉田修一原作で最近映画化された「パレード」(行定勲監督)は、バーチャルな世界で繰り広げられる軽やかな人間関係の足元で口を開けた奈落を描き、けだるく心地よい中に漂う危..
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「古典」に収まりきらぬ生命力~濫読日記「古典」に収まりきらぬ生命力~濫読日記 「『七人の侍』と現代」四方田犬彦著 「羅生門」や「生きる」の脚本で知られる橋本忍が書いた「複眼の映像―私と黒澤明」(2006年)は抜群に面白い。当事者しか知り..
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日常の中の戦争を穿つ~映画「キャタピラー」日常の中の戦争を穿つ~映画「キャタピラー」 「キャラピラー」とは「芋虫」。江戸川乱歩の「芋虫」が原作だが、時代背景をがらりと変え、強烈な反戦映画に仕上げた。 中国戦線へ出兵した夫・黒川久蔵(大西信満)..