記事「演奏」 の 検索結果 2391 件
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いつか夜の雨が二十歳の頃、雨の中を幼なじみのボロ下宿へ出向いた。 ちょうど昨夜のような降りだった。 大家さん(確か「有賀」さんという詩吟好きなお婆ちゃんだった)には悪いが、築数十年の古い普請で、雨漏りが..
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Midnight Blue子供の頃、ニューヨークのコニーアイランドに行きたかった。 NYがアメリカのどこにあるのかも知らぬほど幼かった時代だ。 遊園地といえば、船橋ヘルスセンター、花やしき、後楽園、二子玉川園、..
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それって結果論だよね見上げると、約10キロは離れているだろう空に暗雲がせり出して来た。 その雲が見る間にこちらへ攻め込んで来て、瞬く間に驟雨となった。 急いでいる人は慌てて駆け出し、そうでない人は狭い軒先に避..
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北条政子と寿福寺高校の日本史の教師が、「ここからは余談で、期末テストにも大学受験にも関係ない話なんだが…」と語り始めた。 おおよそ、退屈な授業より余談の方が面白いのは世の常で、「おーし、なら聞いてやろうじゃない..
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人間は10回の好意より1回の悪意を覚えているものだ今さら、お邪魔して申し訳ございませんが、と詫びられても、10回の好意より1回の悪意を覚えているものだ。 それが人間である。 思い起こせば昨年から「悪意」は始まっていた。 10件か15..
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源氏物語の鮎六月初旬から全国で順次解禁になった若鮎も、今ごろはもっと成長して一番おいしい季節。 川魚の中でも大好きな鮎(うなぎは別格)は、やはり塩焼きが絶品だ。 万葉集をはじめ、勅撰集などにも鮎の..
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七回忌春とは名ばかりの頼りない午後の陽が霊園全体を斜めに投げかけ、本当の春を待ち焦がれているように見える。 君が逝ってからもう六年の月日が流れてしまった。 軽く一礼し、墓苑に足を踏み入れる。..
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ながらへばまたこのごろやしのばれむ憂しと見し世ぞ今は恋ひしき百人一首の中でも特に好きで、歳を重ねるに連れて解釈が深まるような気のする、藤原清輔の歌だ。 一般的な歌意は、 生きながらえるなら、またこの頃のことも思い出されるのであろうか、辛いと思ってい..
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お前がこっちに来い!ハロウィンの馬鹿騒ぎが終わったと思ったら、今度はクリスマスである。 またそんな季節が来たのだな、と横目で見ているだけである。 バレンタインデー、ホワイトデーなども然り。 それに国内で..
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いっそ小田急で逃げましょか江ノ島に来ている。 連休が取れない。 だからたった一日の休日は身体を休めるため、自宅でエアコンを効かせてただひたすら眠り続けることになる。 前夜からたっぷり寝たにも関わらず、4時..
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ブルームーンにお願い世間では今月二度目の満月だ、ブルームーンだと大騒ぎしている。 そりゃあ、そんな月だって廻って来るのは天文学以前の常識ってもんで、騒ぐほど珍しいんかいな? と不思議に思うわけね。 で..
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春は名のみの風の寒さや梅開花の報せもちらほらと聞くようになったが、自宅近くでやっと今年の梅を見つけた。 北風に乗って、梅の香が漂って来たのだ。 何年経っても、今日という日は特別な一日である。 彼の人生に伴..