記事「短歌」 の 検索結果 17219 件
-
うれしかなし自転車に乗りて寒空走りゆく 深き想いの本を求めて 覆われし雲に掴まれ夜の端っこ 星消えゆくほどの心ゆらいで 落ちてゆく恋の歌など数多ありも 愁いのかけら沁みてひとり夜
-
美味しさほおばりて君の顔など思い出す 美味き芋の香届けたき風 ことことと牛蒡里芋つややかに 湯気の立ちゆく窓の夜見る 肩よせて小さき皿をつつきつつ 夜を忘れて交わしし愛しさ
-
懐かしき思いはふるふると言葉の音を震わせて 伝えたきもの時に消えゆき 落ちてゆくその一言をすくおうと 手を差しのべたき夜もあるものを 遠き日に窓に映りし泣き顔も 今の涙とわずか違いて
-
ミルクティ気がつけば暗くなりゆく夕暮れに ミルクティの香ほのあたたかく 肩並べ歩きゆく時わけもなく 繋ぐ指先かすかにぬるく 細事にも心は右に左にと 揺れるものなりそれもまた良く
-
歩いてみれば秋色の黄色の葉など踏みしだき 奏でる音は少し寂しく 雑踏を急ぎ歩きしその道は いつかの時を肩並べし道 銀杏の微かににおう木立抜け 秋の雲波眺めしひとり
-
文字滲みけり雨に湿りし文字みては いつかの文字に想い馳せたり 流れるも零れるときも溢るるも 涙のあとの熱さひとすじ 柔らかきおもい包みて送られる 文字の後ろににじむものなど
-
つめたい雨傘ひとつ冷たき雨の中をゆく シャンプーの香りほのかにまとい 濡れそぼる落ち葉踏み踏みはや歩き 冷たき雨の心地良さあり 一段と暗くなりゆく空仰ぎ 雨の一粒待ちて夕暮れ
-
墨色の雨窓を打つ雨の糸跡伸びゆくを 暗き部屋にてなぞりし視線 ぽたぽたと雨どいの隅すり抜けて 夜を映して墨色の雨 土臭き湿り気帯びて夜の雨は 何をついでと流しゆくのか どたどたと..
-
相愛緩やかに坂を転がる石の如く 相愛の心(しん)行ったり来たり 愛すると愛されるとの間には 重なるようで二本道のようで 飾ること無きがごとくに過ぎゆけり 緩みし時間安らかな人
-
眩しさに眩しさに目を細めつつみる雲を 君の背中にそっと焼き付け 別れ際何を隠すかサングラス 赤き眼の色透けて届きぬ 朝の陽とカーテン揺らす風の中 合わせあいたり重ねあいたり 二人..
-
グミをほおばり空に溶け白き雪だけ清々と 眺めし山の何ゆえに惹く 浮かびくる山の麓に居る時を ひとりでなくて独りでなくて 海風に髪乱されて佇みて カメラの前にモデルの如く 眩しさもカモメ..
-
とろりと落ちるトクトクと鼓動を耳に残し時 リズムに合わせとろりと落ちる とろとろと琥珀の色に乳色の 流れの甘さくすぐる香り まどろみて他愛なき文(ふみ)浮かびくる つらつらと書き笑いて消しぬ