記事「角川文庫」 の 検索結果 233 件
-
「どくとるマンボウ航海記」北杜夫著前記事の『船乗りクプクプの冒険』から繋いでいるのは、当Weblog運営者の本棚がそういう並びになっていたという偶然な要素とともに、童話ぽい純粋な創作であるクプクプの底本ってゆうか現実の経験に即した旅..
-
「船乗りクプクプの冒険」北杜夫著童話の体裁を取っていても教訓めいたものは無く、むしろ教訓としてまとめるなら、ま、なんでもいいんじゃないの、と言うべきテーゼが全篇を覆っていて、そんなたりらりらんな読後感がン十年前の初読のとき、たしか..
-
「不夜城」馳星周著土曜日の日本橋。クソ暑い夏の終わりを告げる雨がじとじとと降り、通行人たちの体臭を増幅していた。 なんさん通りを通称オタロードに向かって歩いていた。背に負ったリュックがわずらわしかった。土曜と雨..
-
「刺繍する少女」小川洋子著短編集と聞いてタイトルと表紙を見るとロマンティックでメランコリックなストーリィズかと第一印象を受けてしまってその実は、設定と過程のみを呈示して不安定な読後感の残る不安な短編集である。起承転結で云えば..
-
「小学生日記」hanae*著たしかに小学生にしか書けない、人生でいちばん輝く季節の一瞬をそのまま凝固したような一冊である。 本書を読まれた方はたいてい、自分自身が小学生の頃は何を考えていたか、どんな作文を書いていたか、..
-
「死霊狩り(ゾンビー・ハンター)1・2・3」平井和正著映画のゾンビものがヒットして以来、ゾンビと云えば墓場から甦る意思の無い不死身のアンデッドが映像として連想される。マイケル・ジャクソンの“スリラー”もプロモーションビデオのターニングポイントだった。あ..
-
「暗い青春・魔の退屈」坂口安吾著自分がいちばん熱中して本を読んでいた学生の頃というのは、数えてみると、ひとむかしとかふたむかしとかの以前のことで、本棚の端から順に文庫本を挙げていくという徒然なWeblogを営んでみると、初読のとき..
-
「たらこ筋肉」渡辺和博著これはまたビミョーな本が出てきた。 出てきたって言っても自分の本棚なんだけど。 キーワードを挙げるとするなら 「へたうま」「昭和軽薄体」「相対化」 あたりでしょうか。 技術的には下..
-
「紫色の場所」林真理子著口当たりの良い恋愛小説ばかり書いていてメディアへの露出も多いイメージのある(とわたくしが勝手に想定した)著者の作品の中ではかなり異色である(と実は著者の他の小説を読んでいないわたくしは推定している)..
-
「トラブル・バスター」景山民夫著タイトル、カバーイラスト、そして舞台はTV局、主人公は元ディレクターの窓際社員。 と来れば、この本、ハードボイルドだと思うじゃないですか。多才な景山氏がサラリと読みやすく書いたハードボイルドな..
-
「泥の河」宮本輝著表題作と「蛍川」が収められた、著者の最初の本である。 昭和30年の大阪が舞台の「泥の河」が自分はかなり好きで、何度か読み返している一篇だが、それは必ずしも自分の実体験を小説で追体験するというも..
-
「きまぐれエトセトラ」星新一著昭和の終わり近くに中学生だったり高校生だったりした者の中には、星新一さんのショートショートではじめて本格的に読書の面白さにめざめた人が多いはず。一篇が短いため読むのに時間を要さず、文体が簡潔でクセが..