記事「ファンタジー」 の 検索結果 7089 件
-
金色の花びらが舞い散る下で・25「確かにおまえの云う通りだよ、ジョシュ。ザカリアなら首長の座を巡る争いに、決着がつけられるかも知れん。だがそうだな・・・全部はわからなくていいから、ちょっと難しい話をしようか。たとえ他の誰より、首長に..
-
マラメアの海賊・その58「カナンの父だという人は、息子が殺されたと思っている。カナンでなければその男に。でも兄だという人が死んだのは、アヘンと女遊びが過ぎたせい。体力の衰えているところへ、悪い病気を移された。第一カナンには、..
-
金色の花びらが舞い散る下で・24「ああ、困ったな。おまえときたら、頭もとびきりよくて」 なぜか嬉しそうに笑み崩れ、デーモンは息子にチュッとキスした。ジョシュが何やら当惑した態で目を瞠る。意外な反応やキスには慣れっこでも(何しろ父..
-
マラメアの海賊・その57「兄だという人が死んで、カナンのまわりも騒がしかった。呪術でベッドを燃やされたり、衣服の中へ毒蛇や蠍を入れられたり・・・食べ物にも毒を盛られた。カナンが食べずにいたら、恐ろしさに耐えかねて侍女が呷って..
-
金色の花びらが舞い散る下で・23「お母さんは重い病で動けない、だから小父さんが会いに行く。それって当たり前の事でしょう?最後かも知れないんだもの、誰だって会いたいよ。なのにどうして、ウィンダミアの人たちは信じてくれないの?なぜ首長に..
-
マラメアの海賊・その56空の高いところで、轟々と風が吼え猛っている。星の瞬きは吹き過ぎる黒雲に閉ざされ、その合間から月影が、時折青ざめた光を投げかけた。舳先でうずくまったアスールの髪を、岩に砕け散った波しぶきが冷たく濡らす..
-
金色の花びらが舞い散る下で・22「畏れ入った。さすがザカリア・ウィドロウを産んだ、剛毅な女性だけの事はあるね。それで?国に戻ろうなんて気は、間違っても起こすなと?」 手紙の内容を察して、デーモンがうっすらと笑った。口調こそ平静だ..
-
マラメアの海賊・その55「アスール」ザカリアの声は逆に、不機嫌そのものだ。 「はい、済みません。やっぱり見習いに戻ります」 何も云われないうちから、悄然と肩を落とす。ベリルはザカリアを狙う事で、少年の甘さを痛烈に突いて..
-
金色の花びらが舞い散る下で・21「お母さんが重い病気になったんだって」と、ジョシュ。 「おふくろさんが?」ちょっと意外そうに目を細める。 気丈なだけでなく肉体的にも頑健で、風邪一つ引いた事がないと聞いていたからだ。高い頬骨や頑..
-
マラメアの海賊・その54「わたしを誘惑したいのか?自由に得物を使えるとなったら、何をしでかすか保証できないぞ」 「自分で自分の言葉を嘘にしたいなら。おれはあなたを信じるよ」 アスールはためらう様子もなかったが、まわりで..
-
金色の花びらが舞い散る下で・20恐れ知らずに這い回ってはぶつかったり転んだりする弟を、どんなにヒヤヒヤしながら追いかけたか知れない。寝かしつけようとベットで抱っこするうち、一緒に眠ってしまった事もある。それに小父さんだって気に入る..
-
マラメアの海賊・その53「確かにおまえが相手なら、隙を突くにせよ、上手くたぶらかして油断させるにせよ、逃げる機会はいくらもあるだろう。置き土産にザカリア首長の命を奪い、親父の仇を討つ事さえ・・・。誰もが動転して、しばらくは判..