記事「会津」 の 検索結果 909 件
-
歴史小説 鶴ヶ城物語(165)◇明成と主水(36) 追手は次々と放たれて、何時か12、30人になった。それらの追手は主水らしい主従の噂を追って山陽、山陰、四国、九州にまで渡っていった。だが、1年は空しく過ぎた。 ..
-
歴史小説 鶴ヶ城物語(164)◇明成と主水(35) 主水の退去を知って若松城から出た追手は、山道に仕掛けられた鹿柴に遮られ、ようよう闇川に至ったが、橋の落ちた闇川の谷を渡ることが出来ずに城に孵った。 明成は主水..
-
歴史小説 鶴ヶ城物語(163)◇明成と主水(34) 闇川の橋のたもとには主水は、よく枯れた柴を運ばせておいた。主水の兄弟、宗徒、小者、その老若男女の家族たち300余人が闇川に掛けた橋を渡り終えると、主水はその枯れ柴..
-
歴史小説 鶴ヶ城物語(162)◇明成と主水(33) 主水は、又八郎、小兵衛の二人の弟を呼んで 「わしは殿が腹を切れと仰せられれば腹を切るつもりでおった。したが、おめおめ獄門に己の首をさらしとうはない」 といった..
-
歴史小説 鶴ヶ城物語(161)◇明成と主水(32) 慶長16年(1639)の年が明けた頃、江戸の町から主水についての噂が若松の城下に流れて来始めた。参観交替で江戸在府中の明成はその年5月には若松に帰城するが、帰城し..
-
歴史小説 鶴ヶ城物語(160)◇明成と主水(31) 主水は、それらの者を通じて、明成の心に訴えようとした。しかし、明成は、主水を遠ざけたようにそれらの者を遠ざけた。遠ざけたばかりでなく、明成を諌めた者が主水とかかわ..
-
歴史小説 鶴ヶ城物語(159)◇明成と主水(30) 主水がそういって明成に詰め寄ると、明成は思いがけず、 「主水、そちは思い違いをしておるな、松光院殿の御朱印は、そちにお形見として与えられたもの、わしはわしの朱印..
-
歴史小説 鶴ヶ城物語(158)◇明成と主水(29) 主水は、その度に明成に直諌した。明成は主水の直諌を無視した。しかし、無視されても無視されても主水は諫言を繰り返した。 もし万一これらのことが江戸表に誤り伝えら..
-
歴史小説 鶴ヶ城物語(156)◇明成と主水(27) そして慶長7年(1602)松前から松山に城を移した時のことが髣髴と蘇ってくる。松前の城は取り壊して、瓦一枚、石一つに至るまで悉くを松山の新城に移したのだが、松前か..
-
歴史小説 鶴ヶ城物語(155)◇明成と主水(26) 明成の心の中には屈したものがあった。明るい南国伊予に長じた明成には、一年の半ば以上を暗鬱な雪雲に覆われた会津の地は、馴染もうとしても馴染めぬ地であった。 会津..
-
歴史小説 鶴ヶ城物語(154)◇明成と主水(25) 加禄の沙汰も主水にはなかった。そればかりでなく、主水を猪苗代から若松城詰に移した。家老職はもとのままであったが、若松には明成の末弟明重がいて、主水には、なすべきこ..
-
歴史小説 鶴ヶ城物語(153)◇明成と主水(24) 大の事といえば慶長19年(1642)11月、大坂に冬の陣がおこった時のことである。その時、明成は松山にあった。明成は直ちに大坂に攻め上ったが、播磨の国まで兵を進め..