記事「入国管理局」 の 検索結果 729 件
-
敢えて火中の(第九回) 第四章 失くなった無線機(2)川窪の姿を認めた周りの入国警備官たちが、目配せを送ったのに気付くことなく、岡田の話はいつまでも終わりを告げることがなかった。 その場に居たたまれずに部屋を飛び出した川窪の顔は、宙の一点をじっと見..
-
アフガン難民は何故に収容されたか(難民認定申請の諸状況)難民認定申請と退去強制手続きは別個の手続きと考えられており、難民認定申請したからと言って、入管法違反に対する退去強制手続きが停止されるわけではなく、何時でも収容されて、退去強制手続きが執られることは..
-
敢えて火中の(第八回) 第四章 失くなった無線機(1)机の上に大きな無線機が、充電中であることを示す赤いライトを点滅させて、次の出動の時を待っていた。 九鬼はもう直ぐ点滅を終えて充電を完了するであろう無線機から、青ざめた顔をして戻ってきた川窪に目を..
-
敢えて火中の(第七回) 第三章 職員召集(2)「大阪府警はどうすると言っているんだ」 沼田が稲山にそう問い質した。 「表沙汰にはしないと言っていますよ。入管内部で処理しろということでしょう」 浅く椅子に腰掛けた稲山は、沼田の顔を見ず..
-
敢えて火中の(第六回) 第三章 職員召集(1)平成九年五月二十一日に実施された摘発に従事していた職員が、沼田警備監理官の部屋に集められた。 そこには大阪入管にいる筈の稲山や島田、本省にいる大戸などの姿もあり、集まった人々の疑心暗鬼をいたずら..
-
敢えて火中の(第五回) 第二章 過去の事件(2)にこやかに受話器を置いた沼田の顔が、にわかに引き締まると「山下君、何で九鬼たちは柄受けした身柄が逃げたことを、きちんと報告しなかったんだろう」と、傍らに座る警務企画部門の首席入国警備官である山下に問..
-
敢えて火中の(第四回) 第二章 過去の事件(1)平成十三年六月、一人の中国人の男が窃盗容疑で大阪府警に逮捕された。 中国人の犯した犯罪の中でも単純な窃盗事件で、事件そのものには注目を浴びる要素はどこにもなかった。 大阪府警はいつものように..
-
敢えて火中の(第三回) 第一章 調査第二部門(2)嵐のような摘発強化月間を過ごした後、九鬼たち調査第二部門の入国警備官は、気を失った男がはっと目覚めて自分のやるべきことに気付いたように、本来の手持ち事件の調査をし始める。 中国人の偽造旅券事件は..
-
敢えて火中の(第二回) 第一部 入国警備官群像 第一章 調査第二部門(1)平成十三年四月、九鬼は二年間の成田空港勤務を終え、久しぶりに東京入国管理局に戻った。 調査第二部門に配属され、不法入国特別調査担当の統括入国警備官の辞令を受けていた。 成田空港という管轄区域..
-
敢えて火中の(入国警備官の話)第一回 序章 幻想からの開放時間を重ねれば重ねるほど、納得の行かないことがあるとは、思ってもみなかった。 今回の出来事がまさにそうだ。 如何に不可思議なことでも、時間を置いて思い返せば、きっと分かる筈だと思っていたが、..
-
資格外活動(不法就労者)容疑者の摘発この時期になると思い出すことがある。三月と言えば、人事異動も決まり、押しなべてやる気のない役所となるのだが、あの頃の俺たちは違っていた。もう八年にもなるのか。 三月の第一週のことだ。新宿歌舞伎町..
-
「日本人配偶者」の在留資格認定申請に質問書は不可欠?在留資格認定申請書を提出しようとして、その人は入管の窓口で、「これには質問書が付いていませんね、こちらを書いて持ってきてください」と言われた。 その人は申請取次ぎ行政書士だ。その行政書士はむっと..