記事「哲学・思想」 の 検索結果 174 件
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『あなたが「いる」ことの重み』/藤谷透/青木書店/「なぜ人を殺してはいけないのですか?」「なぜ人を殺してはいけないのですか」という若者からの問いに多くの大人は衝撃を受けた。今も、この問いを取り上げた書が出版される。 本書は、「現代批判の哲学」シリーズとして2001年に出版された..
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『東の科学 西の科学』/菅野 礼司ほか/東方出版/「科学の本質は人間の社会的実践による認識活動」西洋の科学について論じられた本は多いが、東洋の科学を論じた書は少ない。本書は、西洋だけでなく、東洋の科学の歴史・理論を研究しようとした書といえる。 東洋の科学のすべて、また意義や評価など、十分に..
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『ガリヴァー旅行記』/スウィフト/岩波文庫/「18世紀初頭の思想を知ることができる批判的物語」ガリヴァー旅行記という名を聞いたことのある人は多いだろう。私自身も子供の頃に子ども版を読んだことがある。全文の翻訳書を読むのはこれが初めてである。 小人の国や巨人の国の話は、子ども時代の記憶..
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『近代日本文学への射程』/祖父江 昭二/未来社/「「人間」への想い溢れる近代文学研究」近代文学研究者による近代文学研究とは、その視点には同等な人間観が溢れている。 第一部「近代日本の文学と朝鮮・中国」と題し、中国や朝鮮を蔑視した国民としての反省の立場から、著名な作家が中国・朝..
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『近代文学の風景』/西垣勤/績文堂/「時代と文学の軋みを作家たちは・・・」近代文学の中から、「有島武郎」「夏目漱石」「石川啄木」の作品と思想を探り、第4編「大正昭和の作家」では、芥川龍之介、宮本百合子、小林多喜二、大岡昇平、住井すゑの文学と生き方に迫っている。 有..
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『教科書に書かれなかった現代の社会』/吉田 豊/玄黄社/「検定教科書のタブーに挑戦」教科書検定のもつ問題点は多い。家永三郎の教科書裁判は有名である。本書は、検定教科書のタブーや制約にとらわれず、「ありのままの社会」を教えようとする意欲作である。 最初に現代日本と私たちの生活..
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『いのちの平等論』/竹内 章郎/岩波書店/著者の本を読むのは、これで2冊目である。その著書は『平等論哲学への道程』、題からも発想できるように、著者は「平等論」を主に研究している。その著者が平等論の観点「生命倫理」に踏み込んだ論文をまとめた。..
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『魯迅』/竹内 好/未来社竹内好の魯迅研究は有名である。古本市で見つけ低価だったので購入した。読みながら難解な書だと思いながら、なんとか読み終わった。 「あとがき」を読んでびっくりした。本書が執筆されたのは1943年、出..
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『知のモラル』/小林康夫/船曳建夫編/東京大学出版会/「よりよく生きるための知とは?」知の三部作の完結作。これまで不十分だった『知』とは何かへの問いがいっせいに花開いた感を受けた。 「はじめに」で「『どう生きるのか』『どう行為するのか』に触れられないような知ならば、何の意味も..
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『人間不平等起源論』/ルソー/岩波文庫/「飢えている人がいるのに、一握りの人にはありあまっている」人間の不平等はいつから始まったのか。いま、格差社会が社会問題になっているが、不平等の起源を問うことはこの格差を解消するために、重要な鍵となるかもしれない。 本書は、1753年のアカデミー懸賞..
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『DNA』/ジェームス・D・ワトソン/講談社/「生命の謎はどこまで解けたのか」二重らせんの発見から50年。二重らせんの発見者ワトソンが発見の経過とその後の生命の解明を語る。 『これだけは読んでおきたい科学の10冊』に紹介されていた『二重らせん』を探していたら、その後の..
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『東洋の平和思想』/村瀬裕也/青木書店/「古の昔から平和思想は芽生えていた」古代中国と言えば戦乱につぐ戦乱というイメージが強い。その古代中国にも平和を求める思想があった。 墨子、孟子、荀子、杜甫の平和思想が論述させる。中国の古の思想家は有名であるが、難解であり、敬遠して..