記事「小説家」 の 検索結果 985 件
-
三章 行進曲・同床異夢 続き彼の、美男子では決してないが、温かみを常に絶やさない容貌も関係があるのかもしれない。 そんな許嫁のやさしさあるいは甘さが、天藍公主が反発している理由の一つでもあった。 人間嫌いの人間と人間..
-
三章 行進曲・同床異夢「参ったよなぁ……。」 渋い顔をしたのは、ガレージの空気が悪かったからではなかった。 天藍が好き、と言った麟児のバイクはSUZUKIのGSX四〇〇S。その流線型の車体から付いた、「KATANA..
-
小松左京賞『ラヴィン・ザ・キューブ』 発売第9回(2008年)小松左京賞受賞作 「エスバレー・ポワンソン・プティタ」が『ラヴィン・ザ・キューブ』に 改題されて、発売されました。 ペンネームも林葉勇武から森深紅に改名されています。 ..
-
三章 行進曲・同床異夢備え付けに工具箱を取り出したとき、 「あのさ、何かあるのなら言ってくれませんかね?」 「――さすがね、気配は隠したつもりだったけど。」 振り返った麟児の視線の先にいたのは、星野ナナこと天藍公主だ..
-
書評 日本ファンタジーノベル大賞優秀賞「彼女の知らない彼女」第20回(2008年)日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作 『彼女の知らない彼女』 里見蘭 日本を代表する女子マラソン選手が故障したため 代役を探しに並行世界へトリップするSF。 こ..
-
三章 行進曲・同床異夢三日目の朝、麟児は珍しく寝坊してしまった。 彼が目覚めた時、部屋には誰も居なかった。本来この部屋の持ち主である隆が不在であり、亀老も見当たらない。寝過ごしてしまっただろうか。時間を確かめようと携帯電..
-
間章・Ⅰ奥津城の闇は、巌のように重い。それは、ただの暗闇ではなかった。その奥にいる者どもを封じる牢獄からだ。 その牢獄の中で、男の嗤いだけが、鬼火のように浮かび上がっている。 「……何用か、下郎。」 ..
-
二章 天女と竜と、そして人隆と亀老が出てきたところで、麟児は組み手を一区切りつけた。 「もう一本!」 ややムキになった表情で、麟児から一本も取れなかった天藍が乞うた。 「少しは許嫁どのの相手もしたほうがいいでしょ。じゃ、..
-
二章 天女と竜と、そして人その独鈷所は、五体をバラバラに切断された和尚の惨死体の傍らで発見された。それは二人が饕餮を追跡していた頃のことだった。 「いつか、拙僧が、酒と女の道を伝授してくれよう。」 狂峰和尚は緑竜白鴉を気に..
-
文学界新人賞受賞作『舞い落ちる村』 発売第104回(2007年)文学界新人賞を受賞した 『舞い落ちる村』が単行本になりました。 受賞後第一作「冬待ち」も収録。 文学界新人賞を狙っている人は読んでおいてくださいね。 書評はこちらの..
-
二章 天女と竜と、そして人日本全土が戦乱に揺られていた、後に戦国時代と呼ばれる時代に、一匹の妖怪が出現した。 乱世に翻弄され、自らも翻弄する側に回ろうとして果たせず横死したある女の怨念が、蜘蛛の化生に変じたのだ。 その名を..
-
二章 天女と竜と、そして人 続き「こちらのご老体はな。そちらの敖二公子、真堂隆の実家にあたる水界からお来訪者でな。四神も一、北方の守護獣たる玄武神の眷属として戦歴を重ねた老将さ。七嬢と真堂くんの婚礼を進めるたのも彼だ。周りからは、亀..