記事「小説」 の 検索結果 36254 件
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あんでっど 十一会議室を出た大杉巡査部長と寺島巡査はお互いに顔を見合わせた。 「あの、便所に行きませんか。」と、寺島巡査が大杉巡査部長をトイレに誘った。 じつは、この警察署では便所というのは、ある種の隠語..
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あんでっど 十それから二日経った夜に、香織は翌日にハローワークで紹介されたパートの面接に行く為に桜子にそれらしい服を借りに来ていた。 「まったく。なんで服まで捨てられたの言わなかったのよ。」と、桜子が香織に言..
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あんでっど 九香織の帰ったアパートは、寮として入っていた河流通運の契約アパートを追い出されてから、結局、酔って真冬の満天の星空の下で寝込む事になってしまったが、元々そうならないようにと、とりあえず一時しのぎに借りて..
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あんでっど 八「そうかね。でも君は詳しく自分の体がどうなってしまったのか解ってはいないだろう。」と、東十条教授は言った。そして、にやりとすると、右手の人差し指を立ててから、 「いいかね。君が来る前、私はずっと..
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あんでっど 七的山は病院の出入り口を出た後、即座にタバコを銜えて火を点けた。そして、屋外の外来患者用の駐車場に停めた自分の会社の営業用の車に向かった。車には河流通運と書かれていた。すなわち、そこは、香織が真面目に勤..
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あんでっど 六大杉巡査部長と寺島巡査の言い分は、とにかく調書と報告書を作成しなければならないので、香織が凍死していたであろう現場を一度しっかりと見てから、そこから完全に裏付けが取られない様な嘘を考えて全員で口裏を合..
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あんでっど 五その夜、慶一が夜間に東十条教授の手伝いに行くということで、桜子の帰りを待たずに香織と夕食を食べ終わった頃、桜子が不機嫌そうな顔をして帰宅してきた。 「あーあ、疲れた。なによ、ひとが非番に働かされ..
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あんでっど 四その頃、桜子の家でシャワーを浴びていた香織は、そういえば、このシャワーも慶一と付き合っていた頃に話していた、夢のマイホームの通りに造られていて、確か、シャワーから打たせ湯に切り替えられる筈であった事を..
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あんでっど 三それから三十分程の間に香織を中心として、交通課の大杉巡査部長と捜査一係の寺島巡査は、目の前で起きている出来事を、どう判断してよいのか考えあぐねていた。 「なるほど、これは確かに、この世成らざるも..
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あんでっど 二その警察署は、街の中心からは幾分外れに位置しており、規模は小さいが、広く郊外を管轄していた。 「おい、調取部屋誰か使っているのか。」と、初老の制服姿の男性職員が言った。 「あ、交通課の近藤..
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あんでっど 一その夜、木口香織の心の中は天国への憧れと、自らの人生へのもどかしい後悔とが渦巻いていた。 <天国・・・ 愉快な天国、楽しい天国・・・ ・・・天国・・・ああ、天国・・・> 香織..
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子どもの頃の思い出ばなし。子供の頃の私は、よく物を壊した。 父の二眼レンズのカメラに始まり、母の編み機、掃除機、洗濯機など、小学校の頃は、幼馴染の自転車を蹴り壊したり壊されたりは仕方なかったとしても、かなり洒落にならない..