記事「小説」 の 検索結果 36255 件
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上野上野介の面倒事 四十一回翌朝、源一郎と詩織は打ち合わせ通りに行動を開始した。上野介は車のラジオを消して、それぞれに出かけて行った二人を見送ると、家に戻り、朝食を食べるために食卓についた。 「珍しいこともあるわね。今日は..
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上野上野介の面倒事 四十回上野介は家に帰る路を歩きながら、なにやら考え事をしていた。詩織はそんな上野介の後ろを源一郎と並んで歩きながら、お互いに目配せをして黙っていた。そして、家が近づいて来た時、源一郎が上野介に言った。 ..
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上野上野介の面倒事 三十九回上野介は龍勝を一階の廊下の奥の部屋に案内した。そこは、以前、上野介の祖父と祖母の部屋であった。そして、今は、時々埃を掃って窓を開けて換気をするくらしか、上野介も母親の奈美恵も足を踏み入れることが無くな..
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上野上野介の面倒事 三十八回加奈子が昼食の時間を終えて、警察署に戻るのと同時に、上野介達もカフェを出て、乗ってきた車を止めている中心街の駐車場に向かって歩き出した。その時である。通りすがりの店舗の中から、 「おおい、源一郎..
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上野上野介の面倒事 三十七回上野介が加奈子と会ったのは、次の日の午後に加奈子が昼食を取るといって、ある程度の時間、署外に出られた時であった。そして、場所は、中心街にある間口の狭いビルの二階のカフェであった。もちろん、そこには源一..
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上野上野介の面倒事 三十六回一方、詩織は、不良達の輪から外に避けた後で、道の反対側に立ったまま、たった今、上野介が見せた行動に言葉が出せなくなって固まっていた。それは、今まで自分と付き合いのあった不良達の大声も自分が思っていた以..
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上野上野介の面倒事 三十五回上野介にとって、それはしばらくぶりに聞いたガラのわるい巻き舌であった。上野介は、ふう、と鼻で軽くため息をつくと、肩越しに後ろを振り返った。そこには、たった今曲がった角の奥の方から駆け足で集まってくる十..
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上野上野介の面倒事 三十四回一方。上野介の方は龍勝と、車中、どのような話をすればいいのであろうかと考えていた。一応、龍勝は自分の元同級生で、不本意ながらも重症を負わせた相手で、さらに、自分の影の主治医のような存在であることも分か..
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上野上野介の面倒事 三十三回結局、上野介たちは純喫茶『薔薇の実』に一時間以上も長居をしてしまった。その帰り、店を出てから源一郎が上野介に、せっかく親しくなったんだし歩いてきた龍勝を車で送ってやれよ、と言い出した。龍勝は、それ程遠..
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上野上野介の面倒事 三十二回「それで、あの後で人生が変わったって、どういうことなんだい。」と、上野介が龍勝に訊いた。 「ああ、そうだったね。そこで上野君に肋骨を折られて右腎臓にダメージを負って、左腕も亀裂骨折して二週間入院..
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上野上野介の面倒事 三十一回上野介は、龍勝に、どうも先程から、なぜだか解らないが普通とは違う間の合いづらさを感じていた。 「あの、こっちは堂島詩織ちゃん。ま、なんていうか、その、俺が紹介するより見えてるんなら自己紹介の方が..
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上野上野介の面倒事 三十回上野介は、目の前で湯気を立てている、源一郎が好きであるといった配合のブレンドコーヒーがいれられたカップをそっと摘まみあげると香りを嗅いだ。そして、一口、コーヒーを舌の上に載せるように口に含んで驚いた。..