記事「小説」 の 検索結果 36255 件
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上野上野介の面倒事 十七回その頃、詩織と源一郎は連れて行かれた上野介を追いかけて、警察署を目指して早足で歩いていた。実際、上野介の家から警察署までは、急ぎ足なら二十分程であった。 「なんで、わたしの似顔絵が有ったからって..
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上野上野介の面倒事 十六それから、詩織が凄い剣幕で、いわゆる、ぶんむくれた状態のまま上野介の家に戻ってきたのは、翌日、詩織の葬祭場での式が全て滞りなく終わった、夕方のことであった。 「あーまだムカつく~!」 詩織..
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上野上野介の面倒事 十五回それから、四日経った後、詩織の通夜がようやく行われることになった。新聞には何一つ書かれたりはしていなかったが、情報源は源一郎であった。それは、詩織が相変わらず家には帰りたくないと言って、上野介の部屋を..
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上野上野介の面倒事 十四回<あちゃあー・・・まじかい。>と、上野介は思った。そして、思いながらも立ち上がると、押入れの引き戸の前に立った。 「だいたい、息子のプライバシーを、それも、こっそり後ろから覗いたりするものかい?..
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上野上野介の面倒事 十三回結局、上野介が、源一郎から、実体が無い状態での生活の様子を詳しく聞いたのは、いつものトレーニングの最中であった。 「それにしても、上野介さんて、いつもこんなに体鍛えてるんですか?」と、詩織が訊い..
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上野上野介の面倒事 十二回結局、詩織と源一郎は早々に家に帰って、ちょうど風摂りに開けられていたベランダから家にあがると、上野介が起きてくるまでリビングで待つことにした。 「あの、奥様っていうか、上野介さんのお母様って、い..
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上野上野介の面倒事 十一回バスが近づいて、実際に源一郎の言った様にしてバスに乗り込むまでの間の事は、詩織にとって、少なからず思い出したくも無い出来事になった。結局、詩織がバスに乗り込み、開いているバスの座席に座れたのは、バス停..
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上野上野介の面倒事 十回詩織と源一郎がバス停についた時、バスを待っている人間は誰も居なかった。 「あの、わたし達、見えないんですよね。バス止まってくれるんですか?」 詩織は、ものすごい疑問に気がついたと思い、源一..
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上野上野介の面倒事 九回午前六時過ぎになった時、上野介はいつものように床に就いて、昼まで眠ろうと、新聞を、起きてくる母親のために、いつもの様に元通りに玄関に戻しに行った。そして、ついでに玄関のドアを開けると、眠っている間は部..
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上野上野介の面倒事 八回だが、上野介には疑問が残った。それは、もし、父親の言葉通りに自分がこれまでに見てきた幻覚が、誰かの最期の姿であったとしたら、あまりにも見た幻覚の数が少な過ぎるのではなかろうかということであった。上野介..
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上野上野介の面倒事 七回上野介は、詩織が自分と出会ってから、普通では考えられない行動をしているのを不思議に思った。だいたい、誰にも見えなくなってしまった自分の事を、普通に見えるという人間に出合って安心したのは判るような気もす..
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上野上野介の面倒事 六回テレビのニュースの内容は、事故そのものは信号無視の大型トレーラーが、青信号で歩いて道路を横断していた詩織を撥ねるように轢き、詩織の体がそのまま交差点の中程に運ばれたところで、次に、丁度青信号方向ですれ..