記事「小説」 の 検索結果 36259 件
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第59話 真理との邂逅-3アルがもぞもぞと動き出そうとしたのをディマンシュは足で押しとどめ、そして落ち着き払って言った。 「どうしてそんなことをあなたに言わなければならないのかしら?」 「何?」 相手が開き直ってしま..
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第59話 真理との邂逅-2「一風変わったところがあったが、間違いなく貴婦人だとばかり思っていた。だから、荷運びをしている姿を見てもはじめは自分の目が信じられなかった。しかし、こうして君と間近に接すれば、間違いなく君だとわかる。..
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第59話 真理との邂逅-1これまでのあらすじ 1685年、フランスの絶対君主ルイ十四世は、信教の自由を定めたナントの勅令を廃止し、カトリック以外の宗教を禁じた。迫害に耐えかねたユグノーによって「カミザールの乱」が引き起こ..
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第58話 自由への疾走-31「約束の荷馬車というのはあれか!」 大きな荷馬車には葡萄酒の樽が積まれ、馬がつながれていた。その馬を御していたのは深々と頭巾をかぶった女性であった。マゼルは不安そうに言った。 「御者が女だなんて..
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第58話 自由への疾走-30七月のある日エーグ・モルトの町に吟遊詩人の一座がやってきた。彼らは観客の要請になんでも応えて人気を博した。恋人に捧げる歌を歌ってくれと言われれば甘くせつない情念を歌い上げ、血湧き肉躍る勇ましいものを..
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第58話 自由への疾走-29七月のよく晴れた暑い日、ガブリエルは朝から家中の服や敷布を取り出して洗濯をし、家の前にそれらを干していた。すると、そこに大きな荷馬車がやってきた。荷台の上には大きな酒樽がぎっしりと積まれていた。馬を..
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第58話 自由への疾走-28「夢か…。」 アルは自分自身の叫びで目を覚ました。全ては夢であり、牢獄は現実であった。アルは溜息をついた。 『どうせ夢なら、もっと大胆にシャルロットを抱きしめるんだった…。』 アルは自分の身..
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第58話 自由への疾走-27「マゼル、どうなんだ。」 「どっちかわかったのか。」 面会人と看守が行ってしまった後、他の囚人たちが待ちきれなかったというように尋ねた。 「やっぱりディマンシュの使いのようだぜ。」 みんな..
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第58話 自由への疾走-26約束通り聖ヨハネの日にシャルロットはみたびコンスタンスの塔を訪れ、今度は二階にある大部屋の方を案内された。 「皆様、こんにちは。」 シャルロットはにっこり笑って囚人たちに挨拶をした。細長い窓か..
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第58話 自由への疾走-25しかし、実際に大部屋に連れてこられた時、マゼルは自分の考えを思い直した。そこにはかつての仲間たちがおり、マゼル自身を含めて総勢十六人になった。 『あの女が敵か味方か、そりゃどちらでもいい。これだけ..
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第58話 自由への疾走-24シャルロットはそこで少し話題を変えた。 「マゼルさんが聖書の中で好きな場面はどこかしら。」 「好きとか嫌いとか、そんな気持ちで聖書を読むものじゃねえ。」 「そうなんですの? 勇ましそうな方です..
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第58話 自由への疾走-23アルは考えた。 『マゼルが美人じゃないと言うなら、もしかしたら美人ではないか。』 <ユグノーの女か?> <違う。ここの所長が“信仰篤き女性”という言い方をしていた。> <何しに来たんだ?> ..