記事「小説」 の 検索結果 36259 件
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第43話 アブラハムの子孫-4アルは裏手に回ってみた。常日頃ならロランが羊の毛梳きの作業場にしている場所である。この日も例のごとく毛くずがいっぱい落ちていた。アルは何の気なしにそのくずを踏みつけた。 「うわっ!」 アルの足..
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第43話 アブラハムの子孫-3「お兄ちゃん、早く帰ってきてくれないかなあ…。」 小さな妹がつぶやいた。 「君、なんて名前?」 「リエル。本当はガブリエルだけど。」 「へえ、おれの母ちゃんと同じ名前だな。母ちゃんはガブって..
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第43話 アブラハムの子孫-2マゼルの父親は、小柄なところをのぞけばマゼルによく似たいかつい顔立ちをしており、年の離れた幼い弟妹はそれぞれに両親の面影を受け継いでいた。 母親はアルが自分の方を見る視線に気がついて物憂げに言っ..
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第43話 アブラハムの子孫-1これまでのあらすじ ルイ14世がユグノーに信仰の自由を禁じてから17年が経過した1702年、セヴェンヌではユグノーたちの反乱が起こった。反乱部隊は「カミザール」と呼ばれるようになり、これまでの弾圧..
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第42話 その名は“カミザール”-30若者たちを見送ったガブリエルは部屋を水で洗ってから、鶏をさばいた。こうすれば多少血のにおいが残っていたとしてもごまかせるからであった。 「なかなか素直ないい若者たちじゃないか。けっこう男前揃いだし..
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第42話 その名は“カミザール”-29「なんだって? ちゃんと後始末するまではここから出て行かせないよ!」 ガブリエルはほうきを持って入り口に立ちはだかった。この剣幕にジョアニーが苦笑いをしながらマゼルに言った。 「マゼル、このおば..
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第42話 その名は“カミザール”-28「おれが書いたんじゃねえ。」 マゼルが少々不満そうに言ったが、残りの仲間たちがその後を続けた。 「たしか、あいつだ。ちと偉そうな物言いをするやつ…。月曜日(ランディ)いや、火曜日(マルディ)だっ..
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第42話 その名は“カミザール”-27ガブリエルは一瞬何が起こったのかわからなかったが、おそるおそる目を開けてみた。彼女を襲った兵士たちはみな事切れており、別の兵士たちが硝煙の立ち上る拳銃を持って立っていた。よく見ると、彼女の窮地を救っ..
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第42話 その名は“カミザール”-26「おい、女一人にいつまで手こずってるんだ。」 他の兵士たちも加勢にやってきた。ガブリエルは仰向けにされ、手と足を押さえこまれた。彼女は男たちの自分を見る目つきがいつの間にか任務中の兵士のものではな..
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第42話 その名は“カミザール”-25ガブリエルは動じなかった。ロランから借りたカルヴァンの著書やジュネーヴで訳されたフランス語版聖書などのユグノーらしい書物はアルが出発する時に吟味して持って行かせたのであった。後に残っているのはアルが..
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第42話 その名は“カミザール”-24しかし、ガブリエルはたいへんなことに気がついた。アルが持ってきた手紙が食卓の上に置きっぱなしになっていたのだった。このセヴェンヌのお偉方に宛てた宣言文の写しを持っているということは何よりも反乱者の仲..
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第42話 その名は“カミザール”-23しかし、そこにいたのは武装した兵士たちであった。 「あ、あんたたち何だい…。」 兵士たちは無理矢理家の中に入ってきた。 「カミザールの連中をかくまっているだろう。」 「カミザール? いった..