記事「小説」 の 検索結果 36262 件
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第10話 イソップの言葉―19「ねえ、ディマンシュ、あなたは、わたしの家なら気兼ねなく来れるでしょう。わたし、あなたがどんな方かまだ誰にも話してないわ。お父様だってあなたのことお気に召しているのよ。」 「まだ誰にも話していない…..
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第10話 イソップの言葉―18『セネカの「寛容論」注釈』を書いた頃のカルヴァンは、ギリシャ・ローマの古典研究に勤しむユマニストであった。その著書には彼の博学ぶりがいかんなく発揮され、緻密で明晰な論旨が展開されており、若きユマニス..
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第10話 イソップの言葉―17シャルロットはもう有頂天であった。彼からこのような賞賛の言葉まで引き出せたのである。彼女には、もう何も恐れるものなどないような気さえしてきた。 「あなたは、ギリシャ一の賢者といえば、誰のことだとお..
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第10話 イソップの言葉―16「あなたったら、あの時、どこかでこっそりわたしの様子を見ていたのね。あなただって、人のことを詮索するじゃないの。」 「詮索じゃない。事が思うように運ぶかどうか確認していただけだ。」 それを聞いて..
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第10話 イソップの言葉―15「ディマンシュ! あなたとこんなところで出会うなんて、驚いたわ。何していたの? そっちは、あなたの家の方じゃないわね。」 そう言われると、男は立ち止まり、そして振り返った。シャルロットの言うとおり..
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第10話 イソップの言葉―14シャルロットはまたいそいそと村への道をたどり始めた。自分の足で目的地へと向かうのは、もうこれで四回目になる。 春も終わりのセヴェンヌの森は、栗の木がその長い葉を精一杯茂らせ、花穂をつけるための準..
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第10話 イソップの言葉―13このことがあってから、教会の正面入り口に集まる物乞いの数はさらに飛躍的に増えた。しかしながら、その翌日から、それまで毎日来ていた娘は、とんと姿をあらわさなくなってしまった。それでも幾日かは大勢の物乞..
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第10話 イソップの言葉―12シャルロットはあの日以来、ひたすらアルの快癒を願って思いつめ、毎日のようにミサをあげてもらいに教会に通っていた。 教会の正面の出入り口には大勢の物乞いたちが集まっており、ミサが終わるのを心待ちに..
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第10話 イソップの言葉―11「この世に残された者がなすべきことは、やがてお召しの時が来るまで、精一杯神を賛美し続けることなのじゃ。」 セギエはそう言ってまた詩編歌を歌い出した。今度はその歌を皆で唱和した。 哀れなる堕..
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第10話 イソップの言葉―10この物乞いの男セギエが元々住んでいたのは、セヴェンヌ北方のもっと山深い地域であった。 実のところ、ナントの勅令が廃止されるまでは、彼の暮らしもそう切羽詰まったものでもなかった。その地域の名士であ..
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第10話 イソップの言葉―9男の名前はピエール・セギエといい、まだ三十代半ばであった。彼がたどってきた人生の労苦が彼をこのような風貌にしたのであった。彼は若い頃に車大工をしていたのだが、ある時、仕事の最中に材木の細かな破片が目..
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第10話 イソップの言葉―8「どうするんだい。」 アルがディマンシュを非難した。 「やっぱり、自分で届けるしかないか…。」 ディマンシュは、イソップの教訓を机上で知ることと、それを自分自身に当てはめることとの間には大き..