記事「源次郎」 の 検索結果 61 件
-
第四章-8-いくら報酬が良くても、自分の命を賭ける気まではしない。 上杉家には軒猿という優秀な忍軍団がいる。お抱えの忍衆は、他の忍者たちと連絡は取らず、独特の連携をしている。 だから二つ名を持つような有..
-
第四章-7-どんな仕事も厭わずに「はい」と素直に返事をして、頼まれた以上の成果を出す幸村は、宿屋の皆に可愛がられていた。 「幸村、ちょっと休みな。茶を入れてやろう」 「ほら、これで饅頭でも買っといで」 ..
-
幸村の幼少期ニセ真田十勇士「疾風の勇士」第一章から三章まで書き終わりました。 上田城が主な舞台の、幸村幼少期です。 ほぼ全部捏造。フィクションでした。 疾風の勇士では、とにかくここまでを急いで書きたくて..
-
第三章-14-影斎を先頭に、小介、六郎、宗太郎、源次郎、佐助、十蔵の順番で、列になって山道を越えていた。 辺りはすっかり夜の闇に覆われ、足元も覚束無い。 小介が何度か木の根に足を取られたり、そもそも子ども..
-
第三章-13-上田城は大混乱の中にあった。 城主、真田昌幸は三河へ徳川家康と講和のために出向いて留守で、それはとりもなおさず、危険が迫っていないからこそ城を出たのである。 なのに、帰城間近のその日、城は他..
-
第三章-12-源次郎が槍を落とすと、森の木々からいっせいに鳥たちが飛び立った。 ばさばさと強い羽ばたきに、その時だけ風が吹き上がったように感じられた。 こんなことは初めてで、源次郎は呆気に取られたように頭..
-
第三章-11-上田への帰り道は、小雪のちらつく生憎の天気となった。 「今年の雪は少し早いようですな」 白い息を吐きながら、矢沢が右腕をこすっている。 「まだ積もるほどではないだろう」 昌幸は蓑を出して..
-
第三章-10-真田昌幸は信濃の一国を守るために、徳川家康と手を組むことにした。 手を組むとは言っても、実際は徳川に対して恭順すると言うことだ。戦があれば請われるままに兵を出し、その見返りとして、信濃には攻め込..
-
第三章-9-源次郎が拾った忍は、常に源次郎につき従っている。 姿を見かけないときもあるが、そんなときは忍者らしく、床下や屋根裏や、木の枝に隠れて見守っているらしい。 源次郎は特に気にしていないようだった..
-
第三章-8-父、昌幸が覚悟を決めた三年の間に、自分は何をすべきなのか。 源次郎の思いはそこに行きついた。父が源次郎に望んでいるものを、三年の間に身につけることが出来るのか。それは源次郎を焦らせはしたけれど、..
-
第三章-7-鷺宮が連れてきた十蔵を見て、源次郎は顔を輝かせた。 「しばらくお世話になります」 十蔵が頭を下げると、さらに喜ぶと思っていた源次郎があからさまに肩を落としたので、それには十蔵のほうが慌ててしま..
-
第三章-6-「本能寺で謀反……?」 源次郎がその話を聞いたのは、六月も半ばになってからだった。 大和から神社の使いがやってきて、織田信長が自刃し、謀反を起こした明智光秀が山崎で羽柴秀吉に討ち取られたことを..