記事「現代美術」 の 検索結果 572 件
-
柳澤紀子版画展「夢の地面」オープンです+北園克衛コレクションは森岡書店にて一塵を見つけし空や 秋の晴 (高浜 虚子) 遠くまで澄み渡った秋空、その真っ青な空間の果てしなさが、たまたま見つけた宙に浮かぶ塵の存在によって強調されます。「写生」を唱えた虚子ですが..
-
MOTの「トランスフォーメーション」展ではヤン・ファーブルのライヴ!+イヴ・クラインの「人体測定」老いよとや 赤い林檎を 掌(て)に享(う)くる (橋本 多佳子) 幼い子どもから「はい、これ」と赤い林檎を渡されたのでしょうか、林檎の実の「赤」とそれが載ったみずからの手の皺に象徴される..
-
笠井叡+BATIKダンス公演「カルミナ・ブラーナ」+岡崎和郎展、鎌倉近美でオープンです昼寝ざめ 剃刀(かみそり)研ぎのとほりけり (西島 麦南) 9月ですがこの暑さ、秋の句を引く気分になりません。「昼寝」は夏の季語。午後の昼寝から寝汗をかいて目覚めると、外の道を剃刀研..
-
久万美術館では多和圭三展、オープン+大洲の町は龍馬の土佐脱藩ルート百日紅(さるすべり) ラヂオのほかに声もなし (中村 草田男) 九月になったというのにこの酷暑、いっこうに衰える気配がありません。秋が来るのはいつのことやら。ご近所のサルスベリの赤..
-
故塚本邦雄の蔵書+今年も8月のNHKは「反戦チャンネル」です夏痩せて 少年魚(うを)をのみゑがく (西東 三鬼) 酷暑で食慾がなくげっそりと痩せた少年が、魚の絵ばかりを描いている、というのですね。読者は、少年を巡るストーリーを創りたくなります。..
-
金沢でヤン・ファーブルを観ました+金沢はさすが伝統文化の厚みが違います冷し酒 幽明界となりはじむ (石田 波郷) 「幽冥界」が一般的です。つまり「あの世」のこと。「幽明」なら「幽明境を異にする」というので「あの世とこの世」に別れる、つまり死別することをい..
-
足利市美の多和圭三展、感銘深し+與門会では岡井隆氏講演洋傘に 顎のせて 梅雨行くところなし (加藤 楸邨) 端正な詠みぶりの楸邨俳句に、時折大胆な作が混じります。閉じた洋傘に顎を乗せて降り続く雨空を眺めながら、「あーあ、行くところない..
-
ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団「私と踊って」、観ました+岡本太郎美術館では鴨居羊子展一つすうと 座敷を抜(ぬけ)る蛍かな (夏目 漱石) 例年よりは遅いとはいえ、東京もそろそろ梅雨に入りそうな気配。雨季には蛍もたくさん孵るでしょう。漱石のこの句、熊本時代の作のよう。..
-
平塚の長谷川RINJIRO展、堪能しました+吉増剛造写真展が始まります桐咲けば 更(か)ふべき衣(きぬ)もあらずして (石田 波郷) 初夏となり桐の花が咲く季節、世間では衣替えだが暮しに余裕のない自分には新しい夏服を誂えることもできない。敗戦後二年間の作を..
-
ワタリウムではジョン・ルーリー絵画展+MOTでの岡崎乾二郎・林道郎・光田由里講演とシンポジウム春の星 奏でる如く 電線に (星野 立子) 空気も温(ぬる)んだ春の夜に空を見ると、電線のうえに星が出ています。まるで五線譜の音符のよう、というので「奏でる如く」と来るのでしょう..
-
大里俊晴追悼公演には灰野敬二やジム・オルークなど+アートフェア東京が開催中帰らなんいざ 草の庵は春の風 (芥川 龍之介) この句には「教師をやめる」という詞書があります。大正8年にそれまで務めた横須賀の海軍機関学校の英語の教官を辞めて筆一本の暮らしに入..
-
三好達治のフランス語蔵書のこと+リルケとヴァレリーの友情第一銀行 夜は手相見の 春灯(とも)し (三好 達治) 詩人の三好達治は俳句や短歌も器用に作りました。(現代詩人では高橋睦郎さんですね。)市井のひとコマも情感のある淡彩スケッチとして句..