記事「2004年」 の 検索結果 49 件
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しあわせもしかして なくしたというのは錯覚で どこかに 入っているんじゃないかと思って ポケットをひっくりかえしてみるけれど もしかして もっていたというのは錯覚で どこかで 見ただけなん..
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貝殻砂浜に打ち捨てられた 無数の墓標 その面に 生の記憶を刻んだまま 亡骸の在り処を探して 波打ち際を 行きつ戻りつする 潮は引き 汐は満ち 星は近くなり また遠くなった 波に清められ 風に砕..
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まだ、足りないから優しい波がきてすべてをさらってゆくといい 足跡も残さず 膝をかかえて待っている 砂漠 街の光は空を照らして 闇夜ではないから夜は少し 照れ笑い 砂の海 星に向かって渡ってゆく影、みっつ..
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たまごたまごは電球 中から明るく輝いている ちからは 知らない遠いところから 流れてくる あなたではない わたしではない 誰かが そこでスイッチも押したのだ 2004.12..
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満員電車気がつけば 満員電車は降りていた てくてく歩く満月の夜 けものみちのような細い路地で わたしは狼になりたかった 満員電車に乗ったまま 人はどこへ行くのだろうね 半分透明になったまま ..
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右手と左手マグカップを持つ右手と それを支える左手は 左右対称 相似形 体という幹からでている 枝の先にある マグカップは口に運ばれる 適正に傾けるために 筋肉は必要な熱量を消費す..
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雀白鳥が晩秋の空を渡っていった 大きな翼を広げ 首を前にしっかと伸ばし 南へと渡っていった 僕たちは松の木の枝の間からそれを見た ついに訪れた白い矢印に にぎやかなお喋りはひととき止み 僕..
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あしあとまだだれも 歩いていない まっさらな雪のうえに ぼくはあしあとを描く ふりむくと あしあとは大空に向かって 大きな声で叫んでいた 2004.11.16
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子供たちへ少しだけ自分を変えることに みんな臆病で 遠くの戦争に拳をふりあげて 足元の戦争は見ない 知らないふり 忘れたふりで日々を重ねて 本当に本当を忘れてしまう わたしの胸に咲いた 美しい薔..
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声青空に声を放り投げる 自由になった小鳥 高く遠く羽ばたき 戻ってはこない すべらかな丸い小石 長く深く落ちてゆき 同心円は広がらない 幾度も 空の向こうを確かめるように ..
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夢の庭で夢の庭で一角獣をかう 手のひらにのるほどの 小さな庭で やはり小さな 一角獣を 零時の月夜の しずかな大気に 夫も 子どもも 後において木戸をあけ 垣根を越える 赤い瞳 ..
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結露温度差にくもる窓硝子はいつも 守られた内側だ ついと落ちてゆく露は 外の冷たさを哀しむ涙だ 暖かい炉のそばで 子猫はぬくぬくと老い 台所では芽を出した玉葱が 行き場もなく腐っていった ..
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