記事「scenery」 の 検索結果 226 件
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もう終わり木漏れ日の色が 少し淡くなって 陽炎の背伸びも わずかに縮んだ 遠ざかる影の 輪郭もぼやけて どうやら季節は ゆらゆらと移ろい始めた 川面をゆく..
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夕間暮れ ~Summer Mood #3~暮れゆく山の端 遠ざかる蝉の声 草むらに夏虫の 集きの清けき 苔むした岩に 打ち水の煌めき そよとも吹かない風は 雲間に迷い子 背中に夕日を背負って 家路..
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線香花火 ~Summer Mood #2~「今年も行くだろ?」 なんて唐突な問いかけね なんのことかと首をひねって分かった 花火大会だね 去年からの約束だからね 去年は人垣の後ろから見た ..
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鬼灯 ~なみだのわけ #4~鬼灯の紅が夏日に揺れる 君の浴衣の紫陽花が哀しい 涙をこらえて下駄を鳴らせば 鬼灯市の風鈴が沈む 四万六千の幸せと 何を引き換えるの 家路を辿り手をほどけな..
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俺たち (おじさんのエレジー) ~なみだのわけ #3~君は46歳になったそうだね ぼくはこの秋49歳になるけど こんな歳になるとなんとなく 人生の先が見えてくるよね 何年ぶりになるのかな こうして二人で酒を呑むのは これからは..
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男坂 ~なみだのわけ #2~男坂は嫌だと言うから 手をつないで女坂 緩やかに上る風 ふわりと立ち止まる君 眩しいほど白いブラウスに 日傘の影が落ちてる 梅雨はもう明け間近 見下ろす坂下の町 ..
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空の青 ~なみだのわけ #1~忠犬ハチ公を目印に待ち合わせをしてみる 行き交う人の群れは休まない波のよう 規則的に色を変えるのは信号のふた色 空だけは変わらずに 夏の青に染まったまま 早く着きすぎたのはぼく..
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ずっと友達あの日あなたと行った雅の古都を歩いてみる 折からの初夏の風が懐に戯れる 古い用水沿いにせせらぎの音を追いかける 紫陽花の小さな花弁が流れてゆく 鄙びた花街の面影が色を増した..
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恋の終わり ~吾妻橋にて~吾妻橋の欄干に 君は体を預けて 流れ下る河を見つめてる 梅雨の切れ目の空は 鈍く霞んだブルーで 風に紛れるように ぼくは小さくため息 遠ざかってゆく 雑踏のノイズ ..
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風鈴軒先の風鈴が 風の五線紙に 音符を刻む 鳥が舞うあの空に 虹の千代紙を 貼るときのために 寂しげな風鈴の 夏を惜しむような か細い歌は 夕間暮れの紅に ..
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行きつ戻りつ ~雨の夜に夏の終わりを告げる そぼふる雨の糸は 雲のわずかな切れ目さえ 埋めるようだ 穏やかに遠ざかる 思い出の背中は 次に来る季節の 予告の切れはし 傷は必ず 時が癒..
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杜の緑間引いたみたいに 遠くなる蝉時雨 宮の杜の緑が 色増すみたいで 間引いた隙間を 埋めている秋虫の ためらうように細く 密やかな鈴の音 去りゆく風景の なんて愛しい..