記事「パロディ」 の 検索結果 1753 件
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 107「………………」 ここで何故か、キョウジがシュバルツの顔を見たまま沈黙してしまう。 「……? どうした? キョウジ」 キョウジの視線を感じたシュバルツが、図面から顔を上げる。 「あ……ああ..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 106「キョウジ……?」 少し、抱きつかれているような格好になる事に、シュバルツは戸惑った。キョウジの顔を見ようとしたが、真横に立たれているせいで、キョウジの表情が良く見えない。 「ごめん、シュバルツ..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 105「……しょうがない奴だな、お前は……」 キョウジは優しくドモンを抱き返す。弟は、ひたすら泣き続けていた。 「いいんだ……。俺、今は『泣く』って決めてる……ッ」 「ドモン……」 「誰にどう思わ..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 104「放せ……!」 シュバルツがハヤブサの手を振りほどこうと、腕に力を込める。しかし、ハヤブサの手は離れなかった。ハヤブサはシュバルツの手を掴んだまま、無言で立ちあがってきた。 「…………ッ!」 ..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 103(しまった―――!) ハヤブサは、慌てて下を向いた。だがもう遅い。堰を切ったように溢れるそれは、次から次へと零れ落ちていく。 なんて迂闊なんだ、俺は。 シュバルツのあの姿の事を思い出すと、..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 102(でも、このままではまずいだろう?) ハヤブサは思った。シュバルツの幸せを考えるのなら……。多分、このままではまずい。キョウジがこんなふうに自分を責め立てる事を、あいつは絶対に望んでいない。そ..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 101だが、一緒に暮らしているうちに、気づいてしまう事もある。 「おそらくシュバルツには、味覚が無い―――」 「――――!」 「『食事』を必要としないんだ。だからある意味、いらない能力なのかもし..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 100「容姿を奪い、記憶を奪い、人格を奪って……」 握りしめられたキョウジの拳が震えている。冷静さを保とうとして、保てなくなっているのが、見て取れた。 「死ねない身体にして……揚句私は、シュバルツから..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 99「彼が、『人間として』の生命活動をしていない、と言える証拠は、まだある」 キョウジが、更にたたみかけるように口を開いた。 「DG細胞は、その活動エネルギーを、物質的な物から得るのではなく、精..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 98ハヤブサは、涙を落していた。拳を握りしめ、震わせていた。 「ハヤブサ……」 キョウジはただ、哀しげにそれを見つめていた。この人はもしかして、もう自分の事を斬りたくなっているのではないかと。 ..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 97そして、街は廃墟へと姿を変えた。いつもの通りに。キョウジはただ、涙を落とし続けるしかなかった。 ふと、シュバルツの遺骸と、黒い機体の残骸が、キョウジの目に飛び込んでくる。 (何故……何故、貴方..
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キョウジ兄さんたちに捧げる物語 96(………………) 細胞たちからの答えは返ってこない。ただ、あれほど殺ス、殺ス、とわめいていた細胞たちの声が止まっている。 まさか、と、キョウジは思った。 しかし、もしかして今なら―――。 ..