記事「ポエム」 の 検索結果 3080 件
-
弥生の月、桃別れ際の雪 去りゆく季節の 月がこぼす光に 青白く浮かんでいる 「いつまでも」 と誓い合った あの約束も 去りゆく季節に いつしか奪われて 指折り数えて 待ちわび..
-
傘時間の森で 春の扉が開くと 冬は ためらいつつ遠ざかる 冬の名残は 一枚の枯れ葉 去りゆく冬が ひとひらの雪を降らすのなら ぼくは 君の傘になろう
-
手切なさに胸が裂けて 倒れ伏したとしても きっと誰かがそばに来て 手を差し伸べてくれる それは決まった人ではなく その瞬間にそこにいた人で その手にすがるようにして わたしはま..
-
おやすみなさいジャック・ダニエル グラスに注いで バルコニーに出てみる 遠く 町灯り 揺らぐ それは冬の陽炎 冷え切った空気に 夜空の星が まるで凍りついているようで ぼくはグラ..
-
置き去りの雪夜の間に降った雪が ベンチに置き去られてる 震える北風の中で うずくまるような素振りで 冬木立の向こう側は 人気のない白い世界 微かな風に揺れる小枝 そこだけ生きている ..
-
言葉を超えておめでとう 心から おめでとう 言葉を超えて 明日へと続く希望を その胸に抱きしめたなら まるめろの丘の向こうへ 歩いてゆけばいい 永遠 (とわ) に絶えない..
-
余部の海いつか見た 余部(あまるべ)の海は 冬の凍てつく風を はらんでいた うなりをあげて うち寄せる白波 砕けた後に 雪の舞い 数えること 星の数ほど 悲しみを抱えて..
-
コーヒー溜息ばかりの 人込みを潜り抜けて あなたのそばに 辿り着けば 窓辺のシクラメンは 優しく淡い紫 目に焼きついて 離れようとしない 細く開けた窓からは 眠らない街の音が..
-
切なくて切なくて ただ切なくて そぼ降る雨を見ていた 心が ただ泣きたくて そぼ降る雨に重ねた 恋することが こんなにも切ないなんて 思いもしなかった このまま二人 消えて..
-
掛け違えのボタン冷たい風の中を 肩をすくめて歩けば 冬の匂いが忍び寄って コートの裾をもてあそぶ 慌てて着たシャツは ボタン一つを掛け違い 胸のところの隙間から 肌を刺すのは冬 ..
-
REMINISCE大きな観覧車 ビルの上で弧を描く 窓越しの都会(まち)は まるでミニチュアの世界で 動き出す光は 白と赤の帯 四角に切り抜かれた オフィスの窓 「夜の都会が好き..
-
時は わたしを時は わたしを 音もなく 追い越して 振り向きもせず ためらいもせず かといって 置き去るわけでもなく 時は わたしを 何気なく 追い越して 哀しみもせず ..