記事「守護神」 の 検索結果 469 件
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自作小説「守護神」77 第21章(その1) ※注 小説の時代設定は1970年代「島津!」 うとうとしかけた彼に呼びかける者があった。目を開くと、オレンジ色の不気味な谷口の顔が覆いかぶさるように眼前にあった。島津は一瞬どきっとしたが、谷口の部屋にいることに気づき、彼のそう..
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自作小説「守護神」76 第20章(その2) ※注 小説の時代設定は1970年代『時代劇に、それを持つとやたら人を切りたくなる名刀が出てくるが、それを持った者の心境がよく分かる。実際撃ちたくなるな。何でもいいからな。発砲した時の感触、当たった物の質的変化、それらを確かめてみたいな..
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自作小説「守護神」75 第20章(その1) ※注 小説の時代設定は1970年代木村は部屋に戻ると、早速テレビのスイッチを入れた。すぐには画像が出ず、彼を苛立たせた。首相の記者会見の模様が映し出された。彼はあちこちチャンネルを回したが、どれも同じようなものだった。彼は待ち切れず..
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自作小説「守護神」74 第19章(その3) ※注 小説の時代設定は1970年代「うっかり休むこともできないね。話のネタにされてからかわれるんだからね」 と木村は笑い飛ばし、 「昨夜帰って来る時は、別に何も怪しいものには会わなかったな。幸か不幸か、あの派出所の前は通らな..
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自作小説「守護神」73 第19章(その2) ※注 小説の時代設定は1970年代「少しね。ガリガリで貧弱な体だから、喜んでいるんだ。まだまだ人並みとまではいかないがね」 「すぐに喜んでいられないようになるかもしれませんよ。見る見るうちに腹が出てきたりして」 「驚かすなよ」..
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自作小説「守護神」72 第19章(その1) ※注 小説の時代設定は1970年代「木村さんじゃありませんか。」 湯船に浸っていた彼が目を上げると、湯船の縁に笹原が立っていた。木村は悪い所を見られたようで気まりが悪かった。 「ああ、君か。」 「どうしたんですか、今日は。病..
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自作小説「守護神」71 第18章(その3) ※注 小説の時代設定は1970年代木村は車の途切れるのを待って、東今出川通りをゆうゆうと渡った。そこから下宿までは数分の距離だった。次第に足取りが軽くなった。 『すっかり遅くなってしまったな。もう十時ごろだろう。修の所を出たのが九..
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自作小説「守護神」70 第18章(その2) ※注 小説の時代設定は1970年代「家庭教師をやってその帰りなんです。一体、僕が何をやったって言うんです」 木村は恐怖と不安のあまり、声が震えていた。 「家庭教師?」 刑事は警官と顔を見合わせた。警官が中年の女性を連れて戻..
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自作小説「守護神」69 第18章(その1) ※注 小説の時代設定は1970年代空はどんより曇っており、星ひとつ見えなかった。それでも彼は顔を下ろさず、深く息を吸い込んだ。 『行きしなは、空を見上げる余裕なんて全然なかったな。それだけ今は落ち着いて安らかな気分というわけ..
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自作小説「守護神」68 第17章(その5) ※注 小説の時代設定は1970年代「それならそれでいいよ。俺のことはもうそれぐらいにして、いい加減に麻雀をやろうじゃないか」 島津はふてくされたように言った。 「あっさりと自分のドジを認めるんだな。まあ、みんなそれぐらいで勘..
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自作小説「守護神」67 第17章(その4) ※注 小説の時代設定は1970年代「昼からおユキを誘って、バイクで郊外に行こうとしたんだ。その途中、誤って自動車にバイクをぶつけてしまってな。ぶつけてというほどひどいことじゃなく、少し傷を付けただけなんだが、修理代ということで二万五千..
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自作小説「守護神」66 第17章(その3) ※注 小説の時代設定は1970年代「島津が仮の親だ」 今度は島津がサイコロを振った。 「おや、俺からか」 谷口から順番に、パイを取って表向けた。 「やっぱり米田が親か。最初からハッスルせえってことだな」 谷口が..