記事「守護神」 の 検索結果 469 件
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自作小説「守護神」65 第17章(その2) ※注 小説の時代設定は1970年代確かに今朝の島津は、寝不足だったにもかかわらず、意気揚々としていた。昨夜のあの場面を目撃することによって、人間というものはやれば何でもできるんだと思うようになり、心が高揚してきた。受験勉強でさえ打ち..
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自作小説「守護神」64 第17章(その1) ※注 小説の時代設定は1970年代。母屋と塀に挟まれて、幅一メートル余りの道が奥に通じていた。その薄暗い中に、バイクが三台縦に並んでいた。 『来ているな』 島津はほくそ笑むと、自分のバイクを他のと同じように置いたが、スペースが足..
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自作小説「守護神」63 第16章(その5) ※注 小説の時代設定は1970年代。「いやに拘りますね、木村さんは。犯人の心理に迫ろうってわけですね。カバーできるかどうか、僕には分かれへんな。そんなもんでカバーできるいうんは、幻想みたいな気がするけど、人それぞれに考えが違うから、そう..
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自作小説「守護神」62 第16章(その4) ※注 小説の時代設定は1970年代。木村も修も食べ始めた。お母さんは奥に引き取った。木村はしばらくして口を切った。 「昨夜うちの近くの派出所でピストルが盗まれたんだけど、知ってるね」 「そら知ってるわ。大きなニュースやもん」..
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自作小説「守護神」61 第16章(その3) ※注 小説の時代設定は1970年代。修のお母さんは木村を招き入れた。中に入ってすぐの畳の部屋でいつも行なうことになっていた。真ん中に座敷机が置かれていた。柱時計を見ると、すでに七時二十分だった。 「お腹、すいてるでしょ。すぐに運び..
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自作小説「守護神」60 第16章(その2) ※注 小説の時代設定は1970年代。木村は疎水沿いに歩いていた。等間隔に点っている街灯が、舗装された道と周囲に植わった木々に陰影を付けていた。夜風は冷たく、彼はズボンのポケットに両手を突っ込んで、身を縮こまらせるように前かがみになって..
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自作小説「守護神」59 第16章(その1) ※注 小説の時代設定は1970年代。(これまでのあらすじ 大学生の木村は前夜に「守護神」を手に入れ、それを支えに今までの自分とは違う新しい道を歩み始めようとする。しかし、下宿の隣室に住んでいる浪人生の島津に昨夜の場面を見られていたこ..
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自作小説「守護神」58 第15章(その5) ※注 小説の時代設定は1970年代。「少し気が楽になったわ。目撃者のその話を聞いてからというもの、不安で仕様があれへんかったわ。さあ、母屋へ帰って夕食の用意をしなくちゃ。今のこと、くれぐれもよろしくお願いしとくわね」 下宿のおばさ..
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自作小説「守護神」57 第15章(その4) ※注 小説の時代設定は1970年代。「確かにいつまでも放置しておいてはよくないでしょう。しかし、今できるのは待つことだけです」 「あなたの言う通りかもしれへんわ」 「でももし彼が犯人だとしたら、一体何のためにそんなことをした..
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自作小説「守護神」56 第15章(その3) ※注 小説の時代設定は1970年代。木村は落ち着きを取り戻していた。最初島津が犯人だと言われた時には何事かと思ったが、おばさんの考えが憶測の域を出ていないのを知ると、あきれもし、安心もしたのだった。しかし、その安心も束の間だった。おば..
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自作小説「守護神」55 第15章(その2) ※注 小説の時代設定は1970年代。「そう、実は」 下宿のおばさんは木村の顔を見据えて、言葉を続けた。 「あなた、昨夜のピストル盗難事件のことを知ってるでしょ」 「ええ。」 彼はうなずいた。 「すぐ、そこの所で起こった事件..
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自作小説「守護神」54 第15章(その1) ※注 小説の時代設定は1970年代。『一体、彼は何しに来たのだろう』 木村の眼前にさきほどの島津の姿が大きく浮かび上がった。島津が彼の部屋に来たことは一度としてなかったし、しかも留守の部屋に勝手に入って来るというのは、どう考えても..