記事「戦争と平和」 の 検索結果 675 件
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『千々にくだけて』リービ・英雄帯に「9・11を描く初の日本文学」とあり、迷わず購入した。心の中では「初?」と疑問を感じていた。山田詠美『PAY DAY!!!』で9・11が書かれているではないかと。 さて、著者はアメリカ人..
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『アカシアの街に』/右遠 俊郎/新日本出版社/「戦争に抗えなかった青春の苦悩を綴った自伝的小説」ここ数年、戦時下に青春時代を過ごした人の本が数多くと出版されている。本書は、19歳で終戦を体験した著者の自伝的小説である。 著者は幼年から青年期を中国大陸で過ごした。その大連在住時代から戦争..
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『重松日記』/重松静男/筑摩書房/「『黒い雨』の創作モデル」井伏鱒二『黒い雨』を読んだのは何年前のことか。もう二十年は経つだろう。原爆の悲劇に震撼したことを思い出す。 本書は、『黒い雨』の創作モデルとなった日記。それも『黒い雨』上梓35年後に出版され..
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『生きている兵隊』/石川 達三/中央公論新社/「生誕100年に最も注目される作品」石川達三生誕100年の今年、『生きている兵隊』が注目されている。 かつては、反戦小説か、そうではないのかが注目され、賛否評論があったようである。しかし、この小説のもつ価値は反戦かどうかに集約..
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『新聞記者という仕事』/柴田鉄治/集英社/「熱い思いが伝わってくる」元朝日新聞記者の熱い思いが伝わってくる。ジャーナリスト精神の衰退に危機を感じ、新聞の役割とは何かを鋭く突きつける論評となっている。 新聞のジャーナリスト精神とは、「権力を監視し、社会のあらゆ..
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『靖国問題』/高橋 哲哉/筑摩書房/「なぜ靖国参拝が問題になるのかをズバリと指摘」なぜ、首相の靖国参拝がこれほど国内外の大問題になるのか。その根本的な問題がどこにあるかを論理的に解明する本書は、時期的にも内容的にも意義深いものがある。 著者は、「靖国神社がどのようなもので..
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『人類の「宝」憲法9条』/韮沢 忠雄/光陽出版社/「人類の進歩にさからう者に未来はない」本書の副題は「人類の進歩にさからう者に未来はない」となっている。先日、政府の一員である森岡政務官が「A級戦犯はもはや罪人ではない」と発言した。人類の進歩どころか、過去の歴史的事実をもねじ曲げようとす..
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『20世紀の戦争とは何であったか』/木畑洋一編集/大月書店/「20世紀を戦争の視点から見る」講座「戦争と現代」の2冊目。第1冊目は『「新しい戦争」の時代と日本』。 20世紀の戦争、いわゆる近代国家になって以来の戦争が、それ以前とは違う規模になったことをフランス・ドイツなどの検証から分析。..
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『僕たちの戦争』/荻原浩/双葉社/「2001年と1944年に生きた青年がチェンジしたら・・・」2001年9月11日、世界貿易センタービルに旅客機が突っ込んだ。世界中をテロのニュースが駆け巡る。 テロのニュースが始まるとバラエティー番組にチャンネルを回す青年。そんな青年が、終戦前の19..
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『愛と怒り闘う勇気』/松井やより/岩波書店/「衝撃、感動、そして勇気」朝日新聞記者として女性で始めて定年まで勤めた熱血記者。死の宣告を受けてから書き上げた自伝である。 まず初めにお願いしたい。この本を読んで欲しい。 著者の人間として、女性としての熱い想..
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『「新しい戦争」の時代と日本』/渡辺治・後藤道夫編/大月書店/「これからの世界と日本はどうなるのか」本書は、多彩な執筆陣が、それぞれの考えを著述。少しずつ違う認識や見解が表明されている。そして、現代のアメリカによる戦争を冷静に分析し、その方向と私たちの果たすべき役割を示そうしている。 アメ..
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『となり町戦争』/三崎亜記/集英社/「悲しくなるほど人を見つめた小説、ぜひ読んで欲しい!」とても悲しい読後感。なのに考えずにはいられない読後感。そして、これほど一読をお薦めしたい作品も近年珍しい。 いくつかのレビューや書評を読んだが、この小説の核心を描ききった書評はいまだにお目にかか..