記事「短歌」 の 検索結果 17219 件
-
雨雨という文字一文字をじっと見る 点々よっつのかなしい日 散り落ちて桜溺れし水溜まり はかないようでしぶといようで
-
思い出すさくら散り色移ろいし頃にしる 強き声にて伝えし言の葉 音の波後ろに背負い戸口より 顔覗かせし屈託もなく 駅前のさらりと交わすさよならを 今に繋げし縁思い馳せ
-
時の流れほろ酔いし梅酒の中の梅の実に 安上がりなり年重ねし身 飽きるほど共に時間を重ねたり なおときめきて初々しかな 歩きゆく手を繋ぎつつ歩きゆく 力込めし一瞬(とき)いまだ熱き一瞬(とき..
-
さくらさくら背にすましておりぬその顔の 笑い誘いし風荒らき夜 眺めては一人思いぬ収まりし うち一番の良き顔なりと 一年を波穏やかにいかずとも また一年を迎えしに笑み ほのかなる..
-
月明かりカーテンの隙間を超えて伝えしは 今宵満月愛でよひと時 寒々と月のあかりは射しており 我が心根に何ぞ問いたき 遥かより同じあかりを浴びし夜を 君は気づかず枕抱きしか
-
春の夜雨降りの一夜を超えた花びらは 色刻々と冴えゆきて春 繋ぐ手の温みの違い味わいて 寒き春の夜路地裏の灯り
-
背中合わせずっとねの背中合わせの言葉には もうおしまいと笑顔のまぼろし 明日など誰にも来るもの過ぎるもの そのありきたりの今日は愛しき 雨の音に誘われ枕濡らしとき 限りあるなし時間とお..
-
もしも遡る十数年の歳月に 時空の戯れ叶うことなく もしもなど思い及ばぬ日々なれど 言葉の甘さに思いほだされ 胸元の小さきひかり眺めては 日々の雑事にひとときゆるみ
-
白木蓮気がつけば白木蓮の潔し 色なき空に無音の満開 何百と同じ言葉をしたためし さらりと流るる想いは底に
-
風に混じるいろ散り際の梅の香りも一段と 背中温みし路地裏の隅 傍らを幾年歩きしその日々を 桜巡りし数でかぞえる 色彩のうすくぼやけし春日和 風に混ざりし色想いやる 窓辺よりそよりとここ..
-
新玉葱うきうきと新玉葱を求めたり とろり飴色春告げし味 躰など所詮その人だけのもの 気にかけぬこと気にかけぬが良し 名残惜し雪の白さか吐く息か 弥生十日も過ぎたる夜半 アカシア..
-
乾杯おめでとと小さき声で伝えたり こみ上げるもの一年の重み ふた口で顔染まりゆくその様に 嬉しき今日と長き昨日と 今日の日の笑い過ごししその時を また明日へとただ繋げたし