記事「短歌」 の 検索結果 17219 件
-
八王子市夢美術館では銅版画家・清原啓子の没後30年展、瞠目しました。オリオンの 妹として きみありぬ (山中 智恵子) 歌人の山中智恵子が残した唯一の句集『玉すだれ』からです。その短歌作品は、神話性や形而上学性を色濃く刻んだものでしたが、この句でも..
-
御坊市の古墳めぐり続編です(2)+野島で詠まれた万葉歌は謎めいています猛暑残暑 秋暑追打 余生とは (高橋 睦郎) 飯田蛇笏賞を受賞した睦郎さんの句集『十年』からです。つい先日の或る宴席で睦郎さんが乾杯の音頭をとられましたが、そのご挨拶に「私も来年は..
-
佐藤春夫ゆかりの南紀の地を訪ねました。ゆかし潟、良いですよ。釣鐘の うなるばかりに 野分かな (夏目 漱石) 「野分」は台風のこと。この夏は台風が北海道に週三回も上陸したり、と異常な気象状態ですが、今度の台風10号もいったんは南下しながら、U..
-
短歌結社「未来」の大会に出ました蛍火を 夜の眸(ひとみ)と いふべかり (坂内 文應) 蛍の季節はもう終わってしまいましたが、この句、出たばかりの俳誌「白茅(はくぼう)」13号に見つけました。夏の闇をあえかな光を..
-
中原中也記念館では「詩人と短歌」シンポジウムでした+山口の街は小京都です悔(くい)もなく 誇(ほこり)もなくて 子規忌かな (高浜 虚子) 9月19日は正岡子規の命日です。亡き子規の衣鉢を継いで近代俳句を発展させた虚子ですが、敗戦後2年たった昭和22年に疎開..
-
守中章子歌集『一花衣』批評会に出ました+吉増剛造さん、フランスで朗読公演です花曇 孕雀(はらみすずめ)も 重くなり (高橋 睦郎) 東京は例年よりだいぶ早く桜の満開を迎えています。この句、そんな満開の花とどんよりとした曇天の気分をうまく掬い取った作でしょう。..
-
新潟紀行(後半)、上原木呂氏宅から砂丘館へ、会津八一の書など姿見に 映る楓の 夕日かな (井月) 信州の伊那谷を放浪して「乞食井月(せいげつ)」とも呼ばれたこの俳人ですが、その句にはどこか品のあるのが魅力です。大正年間に出た句集には芥川龍之介が跋..
-
笠井叡「ハヤサスラヒメ」海外公演版ゲネプロを見学+「玉城徹を読む」に参加しました茸(きのこ)など 胃の腑に入れて 静夜あり (森 澄雄) 加藤楸邨の弟子だった澄雄の句風は、「日本画的な優美」さにある、とは俳句にも詳しかった丸谷才一の評ですが、ときに憚りなく..
-
多摩美大美術館では「若林奮 仕事場の人」展を開催しています月一輪 凍湖一輪 光あふ (橋本 多佳子) 格調高い一句です。俳人自ら、「寒月の下に凍って光る諏訪湖のその汀線は引締ってきびしく、私は月一輪に対して、凍湖一輪と、つよく表現しなけれ..
-
4人の巨匠、ポルトガルを撮る+世田谷文学館では幸田文展+「読書人」で拙著の座談秋はまづ 街の空地の 猫じやらし (森 澄雄) 10月の暦となって、やっと秋めいた気配のこのごろです。この句、空地に雑草の猫じゃらしが茂っているのを見つけて、秋の到来を知った、とい..
-
京都では作庭家・重森三玲の庭を巡りましたうちまもる 母のまろ寝や 法師蝉 (芝 不器男) 久々の不器男の句です。「まもる」は「目守る」ですから、じっと見つめていること。晩夏の夕暮、家事に疲れた母親が座敷で体を丸めてうたた..
-
岡野弘彦さんの後鳥羽院講演+TRAUMARISでは名和晃平新作展鷹匠の 鷹なくあそぶ 二月かな (安東 次男) 流火草堂の俳号を持つ「あんつぐ」さん、安東次男の句集『昨(きそ)』に収められた一句です。俳人安東さんの代表作のひとつなのではないでしょうか..