記事「芥川賞」 の 検索結果 1981 件
-
阿部和重 「グランド・フィナーレ」 ――― 第132回(平成16年)芥川賞受賞作品長きに渡って続いてきたこの芥川賞の書評も、ひとまずこれで「グランド・フィナーレ」を迎えることになりそうである。 受賞の記憶が未だに新しい阿部和重。大規模な書店に行けば、未だに角田光代の「対岸の彼..
-
星野智幸 「砂の惑星」 ――― 第127回(平成14年)芥川賞候補作品一見当たり前のような真実に到ったとしても、それを掴むまでの紆余曲折が困難かつ複雑さを極めていれば、人は大いなる衝撃を持って、その真実を全身に受け止めることになるだろう。 星野智幸の「砂の惑星..
-
吉田修一 「パーク・ライフ」 ――― 第127回(平成14年)芥川賞受賞作品日比谷公園は私の職場の近くにあるのだが、今まで一度も足を踏み入れたことが無かった。「せっかくだし、日比谷公園でこの小説を読んでみたらどうだろう?」と思った私は、「パーク・ライフ」の文庫本を携えて、日..
-
堀江敏幸 「熊の敷石」 ――― 第124回(平成12年)芥川賞受賞作品私が堀江敏幸を知ったキッカケは、神保町の古書街について特集を組んだとある雑誌である。その雑誌の企画の一つに、堀江氏がいくつかの古書店を巡って古書を買い歩く、というものがあった。その時の様子が堀江氏の..
-
平野啓一郎 「日蝕」 ――― 第120回(平成10年)芥川賞受賞作品「スゴい小説を書いてやろう」 京都に住むとある大学生が、このようなことを思い立った。 「誰もがビックリして腰を抜かすような、猛烈にスゴい小説を書いてやろう。これぞまさに日本文学の名作だと言わんば..
-
藤沢周 「ブエノスアイレス午前零時」 ――― 第119回(平成10年)芥川賞受賞作品「?????」 謎である。全く謎である。これまでにない謎の深さである。しかも、限りなくノーヒントである。 「ブエノスアイレス午前零時」を、何の疑問も無く読み終える人が、果たしているだろうか? ..
-
花村萬月 「ゲルマニウムの夜」 ――― 第119回(平成10年)芥川賞受賞作品芥川賞の読書も、この辺りまで来ると作品選びも手探りになってくる。 最近の文学の動向には全く音痴な私であるから、なるべく多くの情報源に当たりながら、それなりに評価を得ている作家を選んで、その芥川賞..
-
辻仁成 「海峡の光」 ――― 第116回(平成8年)芥川賞受賞作品「辻仁成」という文字を見て、あなたは何と読んでいるだろうか? 「つじひとなり」と読んでいる方は、作家としての彼、あるいは中山美穂との結婚でブラウン管に映った芸能人としての彼を知っている方であろう..
-
奥泉光 「石の来歴」 ――― 第110回(平成5年)芥川賞受賞作品「石の来歴」を読み終えた。 面白かった。エスプリもあった。イマジネーションも感じられた。 だが、私は疑問を感じずにはいられなかった。 「小説とは何なのだろう?文学とは何なのだろう?」 ..
-
辺見庸 「自動起床装置」 ――― 第105回(平成3年)芥川賞受賞作品突然だが、あなたは夜、快適に眠りに就いているだろうか?そして朝、快適に目覚めているだろうか? 私は残念ながらそのどちらも得られていない。夜はなかなか寝付けないし、朝目覚めても、なかなか起き上がる..
-
池澤夏樹 「スティル・ライフ」 ――― 第98回(昭和62年)芥川賞受賞作品池澤夏樹の「スティル・ライフ」。小説としては、面白かったと思う。面白かったのではあるが、欠陥の多い作品である。どのような欠陥があるかは、追ってご説明差し上げる。それでも今回それほど私が憤らずに済んだ..
-
島田雅彦 「優しいサヨクのための嬉遊曲」 ――― 第89回(昭和58年)芥川賞候補作品島田雅彦は、純文学界では今や巨匠としての待遇を受けている。純文学好きでありながら彼を知らないというのは、「モグリ」であるとの誹りを受けても止む無いような状況だ。 しかしその一方、島田氏の一般の知..