記事「芥川賞」 の 検索結果 1981 件
-
田中康夫 「なんとなく、クリスタル」 ――― 第84回(昭和55年)芥川賞候補作品田中康夫が書いた「なんとなく、クリスタル」。ご存知の通り、発表当時大ベストセラーとなった小説である。その数なんと百万部。ミリオンセラーである。この小説が、いかに話題になったかがお分かりになるであろう..
-
村上春樹 「風の歌を聴け」 ――― 第81回(昭和54年)芥川賞候補作品 (後編)さて、読み終わった。 「?」 何だったのだろうか、この小説は。随所において、村上氏が訴えたいことが断片的には綴られていた。「僕」が語るのではなく、デレク・ハートフィールドという架空の小説家を通..
-
村上春樹 「風の歌を聴け」 ――― 第81回(昭和54年)芥川賞候補作品 (前編)先日、例によって私が電車の中で文庫本を広げて読んでいると、横にお歳を召した男性の方が座った。歳は一見すると、五十から六十辺りの方だった。その方はカバンの中から本を取り出した。村上春樹の「アフターダー..
-
高橋三千綱 「九月の空」 ――― 第79回(昭和53年)芥川賞受賞作品私が高橋三千綱の名を知ったのは中学生の頃である。知ったと言っても、小説家として知ったのではない。たまたま買ったマンガ雑誌「コミックモーニング」に連載されていた「こんな女と暮らしてみたい」の原作者とし..
-
宮本輝 「螢川」 ――― 第78回(昭和52年)芥川賞受賞作品次の芥川賞作品ということで読み始めたのが、宮本輝の「螢川」。 朝、電車のシートに腰を下ろし、私は「螢川」の文庫本の扉を開いた。 「螢川」という作品タイトルから清冽なイメージを抱いていたのだが..
-
三田誠広 「僕って何」 ――― 第77回(昭和52年)芥川賞受賞作品「僕って何」を読み終わった。 面白かった。素直に楽しみながら読めた。 私は楽しんで読むことが出来たが、この作品は、面白いと思う人とそうでないと思う人とで意見が別れてしまうような気がする。 ..
-
村上龍 「限りなく透明に近いブルー」 ――― 第75回(昭和51年)芥川賞受賞作品 (後編)さて、ひとまず私はこの話を読み終わった。 この話を読み終わった方は、どのような感想を抱いたことだろう?「訳が分かんない」そう思った方も少なからずいるはずだろう。 それもそのはずで、この話は肝..
-
村上龍 「限りなく透明に近いブルー」 ――― 第75回(昭和51年)芥川賞受賞作品 (前編)(平成十七年三月三日) 遂にこの作品を読む日がやって来た。 日本の文学作品の系譜を眺めていると、この「限りなく透明に近いブルー」が日本文学史上大きなターニングポイントであるように思える。この作..
-
中上健次 「岬」 ――― 第74回(昭和50年)芥川賞受賞作品「岬」は、中上健次の生地である和歌山県新宮市を舞台として描かれた小説である。 関西(特に大阪)に住んでいる方なら分かって頂けるであろうが、関西人にとって和歌山という土地は僻地である。(出来れば地..
-
森敦 「月山」 ――― 第70回(昭和48年)芥川賞受賞作品「月山」を読み終えた。 私は唸ってしまった。 深い。 一言で言うなら、これが私の感想だ。 森敦はこの「月山」を芥川賞史上最高齢の61歳11カ月で受賞した。なぜこのような高齢になっ..
-
庄司薫 「赤頭巾ちゃん気をつけて」 ――― 第61回(昭和44年)芥川賞受賞作品当初、私はこの作品を侮っていた。 「赤頭巾ちゃん気をつけて」というタイトルに私は幼稚さを感じていた。そして、奇をてらったタイトルを付けてインパクトで勝負しようという、浅はかな虚勢を感じていた。 ..
-
丸谷才一 「年の残り」 ――― 第59回(昭和43年)芥川賞受賞作品丸谷才一は今なお旧字仮名遣いで文章を書くことで有名な作家である。最初に目にした丸谷氏の作品は「文章読本」だが、古本屋で買って中を見てみると旧仮名遣いで書かれていたので、思わず「ちゃんと現代仮名遣いに..