記事「ファンタジー」 の 検索結果 7089 件
-
マラメアの海賊・その83「は、話はついて・・・いる筈だ。州の治安を預かる、軍長官は・・・ここに手入れ、しないと。こんな真似をして、困るのは貴様・・・」 ガツン!客の男がさらにいい音を立てて、用心棒の頭を打ちつける。その口..
-
愛だけが聞こえる(20)わたしもまた、父を誇りに思うべきだったろうか。口惜しげに唇を噛み、自分にできるせめてもの償いであり義務だからと、涙さえ流して辛い報告を終えたその護衛隊士のように。彼らは入れ替わり立ち代り、弔問や付き..
-
マラメアの海賊・その82この薄汚いメスブタが!恐ろしい声で脅しつけ、身を竦ませた女に拳を翳す。大男はだが、ぎゃっと叫んでたたらを踏んだ。振り下ろそうとした手首を掴まれ、肘関節を逆に捻られたかと思うと、逆手に持った煙管の銀の..
-
愛だけが聞こえる(19)父の亡骸は丁寧に拭き清められ、軍人の礼装に包まれて、わたしたちの待つ家へ戻って来た。暗殺者の凶刃から身を挺して公爵を庇ったため、遺体には浅いものも含め無数の惨たらしい傷があったと云うが、それは仕度を..
-
マラメアの海賊・その81「・・・助けて、お願い。あたしもう、客を取るのはイヤ。これ以上一人だって耐えられない。斡旋屋に代金を支払った、衣装代や諸経費も出している、だから借金があるんだと脅されたけど・・・そんなの知らないわ。あ..
-
愛だけが聞こえる(18)「そなたがヒューバート・ブライアンの息子か」 それが書斎の隣りにある一室で対面したとき、ゾーイ公爵が口にした最初の言葉だった。その一言にこもる苦く熱い相克の響きと、密度さえ感じられそうな、不安を誘..
-
マラメアの海賊・その80「アーガランドでの暮らしも戦乱で逃げ惑った事も、すべては過去の話・・・思い出したくなんかないわ。それよりもっと、楽しい事をしましょうよ。せっかくあんたみたいないい男が、客になってくれたんだもの。あたし..
-
愛だけが聞こえる(17)「いいわね、アルフレッド。公爵さまにお会いしたら、きちんとご挨拶する事はもちろん、必ず「ご厚情に感謝しています」と申し上げるのよ。一人息子のあなたを館に引き取って、立派な教育を受けさせようと申し出て下..
-
マラメアの海賊・その79見上げる目が切ない希望に揺れ、客の男は痛ましげに目を細めた。どんな反応をする間もなかったからだ。生気を宿したと同じくらい唐突に、娼婦の面は饐えた感じのする、もとの諦め切った表情に戻ってしまった。真っ..
-
愛だけが聞こえる(16)「いいわね、アルフレッド。公爵さまにお会いしたら、きちんとご挨拶する事はもちろん、必ず「ご厚情に感謝しています」と申し上げるのよ。一人息子のあなたを館に引き取って、立派な教育を受けさせようと申し出て下..
-
マラメアの海賊・その78ベットの上にしどけなく横たわり、女は長い、凝った作りの煙管から深々と阿片を吸った。枕に凭れかかる露わな肩、コルセットで寄せ上げられて、今にもこぼれ落ちそうな胸の谷間。派手なだけで安っぽいペチコートの..
-
愛だけが聞こえる(15)仲良く手をつないだまま歩き出し、館へ戻って彼女の焼いたパイを食べたのを、つい昨日の事のように思い出す。生地は少し固かったが、中身には充分火が通っていて美味しかった。セシリアはそして、自らの誓い通り小..