記事「ファンタジー」 の 検索結果 7089 件
-
マラメアの海賊・その21「実際は必ずしも、そういうわけにいかないのよ。お祭りは7年に一度しか行われないんですもの、ちょうどいい年頃の息子がいるとは限らないでしょう?『露払い』役の男の子も宰相のお孫さんで、ザカリアの血縁じゃな..
-
マラメアの海賊・その20「えっ、おれが首長の『太刀持ち』役を?」 島への参拝当日、シギリヤにターバンを巻いて貰いながら、アスールは驚いたように聞き返した。国の高官や族長などは普段から外さないが、ウィンダミアの男たちは大..
-
マラメアの海賊・その19ティアンキ諸侯国への航海も終わり、無事ファサールへ帰港したアスールら『蒼龍』の乗組員を、7年に一度の竜神祭、先代首長の三十回忌に因んで催される鷹狩りや競馬など、一ヵ月半に及ぶ目白押しの行事が待ち受け..
-
マラメアの海賊・その18「ちょっとは学んだようじゃねぇか、おチビさんも」 ヒュウッと口笛を吹き、にやつきながら舵へ向き直る。少年がイカサマを使った二回で、ジャッドはいずれも強気にレイズした。そのため賭ける金貨も尽きたの..
-
マラメアの海賊・その17「でも大丈夫かな?ずいぶん重病みたいだけど」 「ああ、ほっとけ!」クルスが鬱陶しげに手を振る。 「本気になったところで見込みはねえ。彼女にとっちゃ所詮は仕事、一晩限りの相手だし、九つも年下の可..
-
マラメアの海賊・その16サディーヤと云うのはザカリアが、彼のために選んでくれた敵娼だ。滑らかな褐色の肌に白銀の髪、蜜を含んだ煙るような眼差しの・・・。仲間の誰もがごくっと息を呑むなか、アスールは思ってもみない事を云い出した..
-
マラメアの海賊・その15その尾てい骨あたりを、クルスがブーツの爪先で蹴った。 「後悔してんだろう、ええ?せっかくおまえにも経験させてやろうと、なけなしの金を出し合ってやったのに。上手いこと免れるなんざ、つくづく可愛げの..
-
マラメアの海賊・その14シャヤマンティヤ港を後にした『蒼龍』は、大小の島々が浮かぶ内海の水道を、潮の間に白い航跡を曳きながら進んでいた。海は降り注ぐ陽射しに青々と輝き、遠く群れ飛ぶ鴎の鳴き声が聞こえる。船尾楼の手すりに凭れ..
-
マラメアの海賊・その13胸に手をあてて軽く一礼し、現れたとき同様颯爽と、ローヴの裾を閃かせながら出て行く。いかに高名といえ一介の祈祷師が、一国の首長相手に自ら辞去するときを選んで。 「何が有意義だ、食えない奴め。『赤い..
-
マラメアの海賊・その12このときばかりはライ・ハーンも、首長の言葉が意外だったらしい。軽く目を瞠ると、俄かには信じ難いように口許を歪めた。ザカリアが傍らの副官を見やる。 「おまえはファティマに、他の男と寝て欲しくないか..
-
マラメアの海賊・その11「余計な詮索はするなと云ったぞ。・・・ガレリ、代金を」 ザカリアは首飾りに一瞥を向けただけだ。祈祷師は元通りしまってから手渡し、引き換えにガレリが、いい音のする小さな巾着を差し出した。手のひらで..
-
マラメアの海賊・その10「だが、そう・・・いつかあの少年と、じっくり話をさせて貰いたい。すべてが終わった後で結構。そのときまでわたしと彼が、ともに生き延びていたら」 すべてが終わった後・・・その不吉な響きに、ガレリは肌..